50も過ぎようというのに、私は恋をしてしまった。
なんて情けないことだろう。
この歳まで一人身だった私だというのに、今更どうして、こんなに人を愛してしまったのだろうか。
彼女の名前を、私は知らない。
毎朝、私の家の前を通り過ぎる。
時折こちらを向いて、私と目が合えば笑顔を見せてくれることもある。
そして昼間、いつも同じ時間にまた我が家の前を通り、朝とは逆方向に歩いていく。
彼女は、学生かもしれない。
彼女が通り過ぎるとき、私はぼんやり外を眺めているか、ワケもなく怒鳴り散らしていることもあり、それが無性に恥ずかしい。
彼女が通ることを分かっていながら、なぜかコントロールが効かないのだ。
その辺りが、私の年齢を物語っているし、私という人格の表れだと思う。
彼女と、もっと近付きたいと思う。
近付けたら、と思う。
もし私が門扉を開けることが出来たなら、彼女も私を受け入れてくれるかもしれない。
けれどきっと、私が彼女に求めていることを、彼女は私に与えてはくれないだろう。
彼女が私に抱く感情は、私とは全く違うものなのだから。
考えても仕方のないことだが、私も彼女と同じだったら、と思う。
もし私が、人間であったならば、もう少し上手な恋が出来たかもしれない。
何にしても、全ては叶わないことだ。
私は毎日家の前を通り過ぎていく彼女を見ながら、犬として残された時間を、全うしていくしかないのだから。
お題配布元:中途半端な言葉
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なんて情けないことだろう。
この歳まで一人身だった私だというのに、今更どうして、こんなに人を愛してしまったのだろうか。
彼女の名前を、私は知らない。
毎朝、私の家の前を通り過ぎる。
時折こちらを向いて、私と目が合えば笑顔を見せてくれることもある。
そして昼間、いつも同じ時間にまた我が家の前を通り、朝とは逆方向に歩いていく。
彼女は、学生かもしれない。
彼女が通り過ぎるとき、私はぼんやり外を眺めているか、ワケもなく怒鳴り散らしていることもあり、それが無性に恥ずかしい。
彼女が通ることを分かっていながら、なぜかコントロールが効かないのだ。
その辺りが、私の年齢を物語っているし、私という人格の表れだと思う。
彼女と、もっと近付きたいと思う。
近付けたら、と思う。
もし私が門扉を開けることが出来たなら、彼女も私を受け入れてくれるかもしれない。
けれどきっと、私が彼女に求めていることを、彼女は私に与えてはくれないだろう。
彼女が私に抱く感情は、私とは全く違うものなのだから。
考えても仕方のないことだが、私も彼女と同じだったら、と思う。
もし私が、人間であったならば、もう少し上手な恋が出来たかもしれない。
何にしても、全ては叶わないことだ。
私は毎日家の前を通り過ぎていく彼女を見ながら、犬として残された時間を、全うしていくしかないのだから。
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