物理を学ぶ大学院生の日常 -4ページ目

物理を学ぶ大学院生の日常

千葉の魅力、ニュース、プログラミングについてお届けします。

「適切な人材と壮大な夢が揃えば、たいていの夢は現実になる。
  たとえ失敗しても、きっと重要な学びがあるはず」
    ーーグーグル最高経営責任者 ラリー・ペイジ



How Google Works
~私たちの働き方とマネジメント~
   エリック・シュミット
   ジョナサン・ローゼンバーグ

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<経歴>
エリック・シュミットさん
グーグル取締役会長。2001年から2011年までCEOを勤めました。
同社がシリコンバレーの企業から、年収550億ドル、40ヶ国以上にオフィスを持つハイテク業界の世界的リーダーへ成長するのに貢献しました。
ジョナサン・ローゼンバーグさん
グーグルのラリー・ペイジCEOのアドバイザー。
2002年グーグル入社。担当は検索、広告、gメール、アンドロイドなど。
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誰しもが、何かしらのサービスを使っているであろう”Google”の全てがつまった本。
あまりにも充実した内容であるため、全てをまとめることは難しい為、要点だけ述べていきたいと思います。

○シンプルな原則にもとづく経営
「ユーザを中心に考え、最高のプラットフォームとプロダクトを構築する」
・最高のサービスを生み出せば、お金は後からついてくる。
計画を前倒しで達成することはない。
 事業計画は、エンジニアの手足を縛るだけ。

・財務予想や収入源、広告主やパートナー企業が何を望んでいるか、それが市場セグメントにどのように当てはまるかといった市場調査も行わない。

○スマート・クリエイティブ ~グーグルで働く人の特徴~
・グーグルの社員は特定の任務に縛られていない。会社の情報やコンピューティング能力に自由にアクセスできる。
・リスクテイクをいとわず、またそうしたリスクをともなう取り組みが失敗しても処罰や不利益を受けることはない。
・職務や組織構造に束縛されることなく、むしろ自分のアイデアを実行に移すように推奨されている。
・納得できない事があれば、黙ってはいない。
・退屈しやすく、しょっちゅう職務を変える。
・多才で、専門性とビジネススキルと創造力を併せ持っている。
・データを扱うのが得意で、それを意思決定に生かすことができると共に、データの弱点もわかっていて、それに振り回されることはない。
・競争力も旺盛で、猛烈な努力を欠かさない。
・プロダクトを誰よりもユーザ目線、消費者目線から見れる。
・変わりやすい環境に柔軟に対応しようとするしなやかさを持つ。
・好奇心旺盛で、常に疑問を抱き、決して現状に満足しない。
・自発的で、納得できない指示は無視することさえある。
・細かい点まで注意が行き届き、集中力を切らさず、どんな細かいことも覚えている。
・話がおもしろく、センスがよくカリスマ性さえ感じる。
(※すべてのスマート・クリエイティブがこうした特徴を全部備えているわけではない)

○文化 ~自分たちのスローガン~
・企業を立ち上げるときに、最初にどんな文化をつくりたいかを考え、明確にしておく方が賢明。
・会社の信条を理解し、あなたに負けないぐらい強い思い入れを持っている社員に次のことを聞く。
「僕等にとって大切な事は何か」
「信念は何か」
「どんな存在になりたいか」
「会社の行動や意思決定の方法はどうあるべきか」

・オフィスデザインは交流とエネルギーを最大化する目的にするべき。
意思決定の質と報酬の水準は本質的に無関係だし、経験がモノを言うのは説得力のある主張の裏付けとなる場合だけなので
「『誰のアイデアか』より『まともなアイデア』が重視されるべき」
・部下を信頼すること、そして彼らにもっと良いやり方を考えさせる度量と自身を持つこと。
・「異議を唱える義務」を重視する
・一番影響力の大きい人たちを見極め、彼らを中心に組織をつくる。
・会社の基本的利益を犯すような人間には、迅速に対応する。
・ワークライフバランスの問題は、社員に責任と自由を与えるのが一番。休暇はしっかり取るように勧める。
(※「燃え尽き症候群の原因は、働きすぎではなく、自分にとって本当に大切な事を諦めなければなくなったときに起こる」ーーヤフーCEO)
・「とにかくダメ」ではなく「イエスという姿勢」を大切にする
・同僚と一緒に笑ったり、ジョークを言い合ったり、ともに仕事をすることの楽しさを大事にする。
・「許されること」の境界をできるだけ広げておく。
・一心不乱に取り組む「ついてこい!」の姿勢を学ぶ

○戦略
・「事業計画ではなく、人に投資せよ」人を正しく選ぶ。
・重大な問題を革新的な方法で解決するような技術的アイデアにかける。
・利益ではなく規模を最適化する。
・最高のプロダクトによって市場自体を拡大させる。
・小さな問題の解決策に注目し、その適用範囲を広げる方法を考える。
・インターネットの世紀に大きな成功をつかむリーダーとは、プラットフォームを生み出し、一気にグローバルに成長させる。
・何千人という人材の才能を活用出来るようにオープンシステムをつくる
・「ユーザの自由」を与え、つなぎとめるための努力を
懸命にする。
・一般的にはオープンであることが最高の戦略であるが、新しく急成長を遂げる市場で競争しているときは、プラットフォームをオープンにしなくても急速に成長できる。
ライバルを誇りに思え。そうすればライバルの成功はあなたの成功にもなる。ただ、追随はしないこと。

○人材 ~採用は一番大切な仕事~
・素晴らしい人材の集まる会社は、素晴らしい仕事を成し遂げるだけではなく、さらに多くの素晴らしい人材を引き寄せる。
・妥協への甘い誘惑に負けない採用文化を醸成する。
・情熱家はそれを表に出さない、心に秘めているので、粘り強さ・気概・真剣さ・全てを投げ打って没頭する姿勢といった情熱家の資質を見出す。
・大切なのは優秀な人が「何を知っているか」ではなく「これから何を学ぶか」
・銃砲技術は指数関数的に成長している。この発想のもととなるのは”地頭”。知力こそ、変化対応能力の最も有効な指標である。
・心の若さを保ち、努力すれば自分の持ち味とする能力を変えたり、新たな能力を開花させることができると考える。人は変われる。対応できる。
「到達目標」を設定するのではなく「学習目標」を設定する。学ぶこと自体を目標にすると、くだらない質問をしたり、答えを間違えたりしたらバカに見える等と悩んだりせず、リスクをとるようになる。長い目でみれば、失敗する方が多くを学び、さらなる高みに上れることを知っている。
単に親切で信頼感があるというだけでなく、多才で、世界と深く関わっている人間、おもしろい人間であることが重要な要素。
・素晴らしい才能の持ち主の外見や行動は、あなたと違っていることも多い。斬新な発想は多様性から生まれる。
・起業したい人は
「君の戦略的基盤は何か?」
「どんな文化をつくるつもり?」
「私が投資家だったら、何を言う?」

に満足な答えを探す。
・キャリア開発には、努力と入念な計画が必要。
「五年後の自分にとって理想の仕事」を考え、その職に就くために、その間何をするかを考える。
自分の強みと弱みを評価し、そこに辿り着くために、どんなスキルを磨く必要があるかを考える。
・30秒で「あなたがいま取り組んでいる仕事」「その根底にある技術的アイデア」「想定される成果」「それが会社全体の事業でどのような役割を果たすか」ということを説明できるようにする。
・ビックデータを理解できる統計の知識をつける。
・社内の資料、尊敬する筆者やサイトを読み、情報交換する。
自分の情熱と仕事を結びつける

○意思決定 ~「コンセンサス」の本当の意味~
・正しい選択をすることだけに集中してはいけない。
判断に到達するプロセス、タイミング、そして判断を実行に移す方法も判断の内容そのものと同じくらい重要なもの。

・問題をきちんと述べられれば、半分解けたようなもの。
・事業の多くの側面を、データにもとづいて定量的に把握する。
・最適解に到達するには、意見の対立が不可欠。オープンな雰囲気の下、全員の意見を引き出す。
あとのほうに出てきた反対意見ほど拒絶されやすいという自然法則があるので、議論の初期段階で、すべての反対意見を吸い上げるようにする。
・コンセンサスの正しいプロセスは
「包含(全員を参加させる)」→「協力(個人の主張を犠牲にしても、グループ全体にとって最適な決定を目指す)」→「平等(すべての参加者を大切にし、反対意見を述べることを認める)」
そして「ソリューションの質」を重視する。

・自分の意見を通すことより、最高の意見を見つけることを考える。
・意思決定者を必ず立てて、決定者は期限を設定し、プロセスを仕切り、最後には期限を確実に守る。
・「行動志向」で「間違っていたっていいからとにかく”何か”行動を起こす」
・会社の存続をめぐるそれほど重要度の高い問題が浮上したら、毎日会議を開くべき。
・相手の行動を変えたいなら、説得力のある主張をすることだけでなく、相手のハートに触れなければならない。
・100%支持が得られていないときは「どちらも正しい」と言う。
・全ての会議に”オーナー”が必要。
・収益の8割を稼ぐ事業に8割の時間をかけよ。コアビジネスに集中し、愛情を注ごう。
・経営者にはコーチが必要。

○コミュニケーション ~とびきり高性能のルータになれ~
・最も成功を収めている経営者は、情報を囲い込まず、共有する。
・リーダーに一番重要なのは悪い知らせ。だから部下が身の危険を感じることなく、トップに難しい質問を投げたり、どれほど厳しい知らせであっても報告したりすることができる環境を常につくっておく。
・新プロダクトや主要機能を発表した後には「反省会」を開き、うまくいったこと、いかなかったことを話し合う。
・コミュニケーションの際には、あなたが全員に伝えたい重要なテーマを強調する。
・正しいコミュニケーションには新鮮な情報が必要。また、聞き手の注意を引くには提示方法を変える必要がある。
コミュニケーションはおもしろく、楽しく、刺激的に
・あなたの名前で発信するなら、あなた自身の考えをきちんと入れる。内容はあなた自身の考え、アイデア、経験でなければならない。
・優れたコミュニケーションとは、その情報を有益だと感じる相手だけに届けるべきもの。
・常に正直かつ謙虚に語るように心掛ければ、社員の好意や忠誠心は蓄積されていくはず。
・「自分の下で働きたいと思うような上司であれ」
・メールの心得
「すぐに返信する」
「メッセージは簡潔に。読み飛ばされる部分は削る」
「メールの受信トレイは常に綺麗に。検索できるように」
「有益な情報は転送する」
「メールで相手を叱り飛ばさない」


○イノベーション
・イノベーションとは「斬新で有用なアイデアを生み出し、実行に移すこと」
・新しいプロジェクトに取り組むべきかどうかを決める時、ベン図を使って、何人に影響を及ぼす問題あるいはチャンスかを判断する。
・すでに市場に存在するものとは根本的に異なる解決策のアイデアはあるのか。
・解決策を世に送り出すための画期的な技術は既に存在しているか、あるいは実現化可能なのか。
・私たちは従来型の小さな発想にとらわれがち。
「発想が小さすぎる」「その10倍スケールで考えろ」
・「70対20対10」リソースの70%をコアビジネスに、20%をコアビジネスに、10%を成長プロダクトに充てる。
・グーグルの「20%ルール」。グーグルでは、仕事時間の20%を好きなプロジェクトに使うことを認めている。
・「世に出してから手直しをする」
「発売からあまり時間をおかず、ユーザをビックリさせるような新機能を追加する準備しておこう」
そうすれば、限定的な機能も急速に拡大していくという期待を抱くようになる。
・これまでの投資額にかかわらず勝者を支援し、敗者への支援を打ちきる。
・どんな失敗プロジェクトからも、次の試みに役立つような貴重な技術、ユーザ、市場の理解が得られるはず。
アイデアは潰すのではなく、形を変えよう。
「良い失敗をする」
「失敗は壁ではなく、道と考えるほうがいい」



今回は、メモとして気になった部分を箇条書きする形になりましたが、実際には、それぞれのテーマについて具体例をあげて、わかりやすく説明してあります。
少しでも気になる項目があった方は、是非読んで見てください!


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