韓国のサムスン電子は、腕時計型端末の新商品「ギアS2」を発表。
時計部分は円形の1.2型有機ELパネルを採用しました。
通話やメール、文字メッセージの確認といった従来の機能に加え、近距離無線(NFC)機能を組み込んでおり、決済もできる。
またサムスンは現在、さまざまな業界のパートナーと、車のキーやルームキー、スマートホームのリモコンといったNFC技術の用途開拓に向けて協力しているそうです。
時計の外枠を回してアプリケーションソフトなどを選択する操作方法を新たに導入しています。
バッテリー寿命は「Apple Watch」より長く、1回の充電で2~3日間使えるという。
スマホがなくても携帯電話の3G回線や無線LANを経由してインターネットに接続できるタイプもあります。
また、韓国でスマートフォン(スマホ)新製品「ギャラクシーノート5」も発表。
ディスプレーは5.7型の有機ELパネル。
直営店での価格は内蔵メモリー32ギガバイトの場合で99万ウォン(約10万円)と前作「ノート4」より約3万ウォン高い。
「ギャラクシーノート」シリーズは内蔵したペンでも入力できるのが特徴です。
「ノート5」は本体裏側の両サイドが曲面になったデザインを採用した。画面が消えている状態でも書き込みができるほか、1秒以内にカメラ画面が立ち上がる機能などを盛り込んでいます。
ここで気になるのは、これらが例年に比べて1ヶ月早い、8月に発表されているということ。
春に発売した「ギャラクシーS6」と「同エッジ」が期待ほどは売れていないようで、最近元気のないサムスン電子としてはアップルとの直接対決は避け、発表を前倒しして店頭販売を少しでも先に始めてしまう戦略を選んだようです。
そんな、スマートフォン事業の減速で、グループの中核であるサムスン電子の業績不振が続くなか、新事業の育成を急いでいます。
韓国のサムスングループは21日、傘下のバイオ医薬品メーカーを2016年春にも米国で上場させる計画を明らかにしました。
サムスングループはバイオ医薬品事業をスマホなどに代わる成長のけん引役の一つと位置づけており、最大20億ドル(約2400 億円)程度を調達する計画とみられています。
後発薬に当たるバイオ後続品(バイオシミラー)を開発しており、関節炎治療薬2種類が欧州やカナダ、韓国で認可待ちの状態です。
また、韓国サムスン電子が作るCMOSイメージセンサーは、光を電気信号に変えて映像化する半導体で「電子の目」とも呼ばれています。
約7割がスマホを中心とする携帯電話向けのもの。
CMOS(相補性金属酸化膜半導体)は従来のCCD(電荷結合素子)に比べて速くデータを読み出すことができ、消費電力も少ないそうです。
さらに、第一毛織とサムスン物産が合併。
発足した新生サムスン物産は、取締役会に相当する理事会を初めて開き、崔治勲(チェ・チフン)社長が「成長性と安定性を備えた事業構造を作る」と抱負を述べました。
2020年の売上高を60兆ウォン(約6兆円) と14年比8割伸ばしたいとの考えです。
合併会社は旧会社の事業部門を存続させ、主に建設、商社、ファッション、レジャーの4部門で構成されています。
そして、傘下企業が手掛けるバイオ医薬品事業を加えた5部門を中核として規模拡大を目指しています。
商社部門の原材料調達とファッション部門が手掛ける衣料品の製造小売り (SPA)などで相乗効果を期待しています。
一見順調に思えるサムスンですが、米IDCの調査によると、Apple Watchは4月に発売してから早くも2015年第2四半期の世界ウエアラブル端末市場で2位になっており、一方のサムスンは5位に甘んじています。
また、米ガートナーが現地時間2015年8月20日に公表したスマートフォン(スマホ)の販売統計調査によると、同年第2四半期(4~6月)の世界販売台数は前年同期比13.5%増の3億3000万台でした。
この伸び率は2013年以降で最も低い数字です。
さらに、同年第2四半期のメーカー別販売台数を見ると、サムスン電子が7207万台で首位を維持したものの、サムスンの販売台数は前年同期から5.3%減少、販売台数シェアは同 4.3ポイント低下しています。
それに対し、アップルの販売台数は4809万台。
Appleの販売台数は前年同期から36%増加し、シェアは 同2.4ポイント上昇しています。
また、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は2日、旗艦スマートフォン(スマホ)の新商品「メイトS」を世界初公開しました。
指紋認証のほか、画面を強く押すと写真を拡大できる技術など画面の触れ方を変えながら楽しめる機能を搭載した。高級機種を拡充し、米アップルや韓国・サムスン電子を追い上げます。
加えて、最も頼りにすべき市場、韓国の顧客がなぜサムスン製品に冷淡になり始めています。
その原因として、製品そのものの魅力や競争力も大きい要素ですが、サムスンや現代自動車・SK・ロッテ・現代重工業・韓進など韓国経済を支配する財閥への反発の高まりがあるようです。
今サムスングループにとって今もっと重要な事は、創業家2代目の李健熙(イ・ゴンヒ)会長からその息子である3代目の李在鎔 (イ・ジェヨン)副会長への経営の継承。
実は、第一毛織によるサムスン物産の吸収は、李在鎔氏がグループの圧倒的な大黒柱であるサムスン電子に対して資本面で支配権を確立するための細工と考えられています。
そもそも、バイオ医薬品メーカーの上場についても、間接的に出資するバイオエピス社を上場し、第一毛織株の価値を高めることで、合併比率に関する批判をかわす狙いがあるとみられています。
シナジー効果がほとんど見込めない合併は創業家のエゴと言われても仕方のないもの。
臨時株主総会で合併は予定通り承認され、李家の支配権は固められたが、会社の足下は揺らぎつつあります。
もちろん財閥にも同族経営にも利点はあります。
利益の外部流出を防ぎつつ、事業分野を広げ、シナジーを働かせて成長する財閥システムは経営資源に乏しい途上国の成長段階の企業には有用です。
そのなかで同族は企業グループを束ね、迅速かつ果断な意思決定をするのに効果的。
しかし、グローバル市場でも上位に位置するまで成長した企業が様々な事業に手を広げ、多くの分野にまたがって国内市場の寡占化を狙ったり、創業家の利益を最優先することになればたちまち弊害となります。
これまで急速に成長を続けてきたサムスングループ。
しかし、その成長にも陰りが見える中、今後どのように発展していくのかに注目です。