スペイン・スーパーカップで、行われた夏のクラシコでは、レアル・マドリーに軍配が上がった。

マドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウで行われたセカンドレグでは、バルセロナMFアレクサンドル・ソング、マドリーMFルカ・モドリッチがデビューを飾るなど、新戦力のお披露目も終わり、いよいよ2012-13シーズンも始まったと思わせてくれた。

リーグ戦の開幕戦でバレンシアに引き分け、第2節でヘタフェに敗戦したマドリー。すでに勝ち点を5ポイント落としてしまった白い巨人だが、バルサ戦を見る限り、完成度と成熟度は非常に高いと感じた。

DFペペの存在は大きく、さらにDFセルヒオ・ラモスのセンターバックも、いつの間にやら違和感なく欧州屈指のCBレベルに仕上がっている。


<カウンターサッカー>
ジョゼ・モウリーニョ監督率いるマドリーの特徴は、何と言ってもカウンターである。

今回のセカンドレグでも、FWゴンサロ・イグアイン、FWクリスティアーノ・ロナウドの2得点ともカウンターからゴールを奪っている。

勝負を賭けた戦いで、モウリーニョのカウンターサッカーが炸裂する。
その理由に、「カウンターサッカーは心理的に強い」ということを挙げたい。

『0-0でもオーケー』という戦い方は、90分の試合を楽にさせる。心理的な意味合いで。
時間が過ぎても、「0で抑えている」という心理が働き、なおかつ「1点とればいい」という考え方は、試合への取り組みを容易にしてくれる。

対照的なのがバルサのようなポゼッション・サッカーで、サッカーというスポーツは不思議なもので、ポゼッション率を上げてボールを支配していると、ゴールを奪わなければならない強迫観念に駆られてくる。

「これだけボールを支配しているのに、得点が入らない」という不安が生まれがちになる。


<バルサのカウンター対策に問題あり?>
それにしても、バルサは見事にマドリーのカウンターを喰らってしまった。

1点目のDFハビエル・マスチェラーノのイージーミスがあったとしても、2点目もあそこでC・ロナウドとピケを1対1にしたら、マズイ。あれだけスペースを与えたら、どんな優秀なDFでもC・ロナウドを止めるのは難しい。

アドリアーノが退場したシーンでも、カウンターでC・ロナウドに走られていた。

DFダニエウ・アウベスが急きょ出場不可となったことで、右にアドリアーノ、左にジョルディ・アルバという布陣で臨んだが、バランスが良くなかった。

ペップ・グアルディオラ前監督の下で、アウベスがどれだけ守備面で成長していたか。それを痛感させられた試合となった気がする。

1対1の強さ、というよりも

・ポジショニング
・バランス感覚



なのだと思った。バルサのSBに必要なのは。

その意味で、やはりカンテラ出身のモントーヤは、途中出場ながら及第点の出来だったと思う。
バルサに長年いるからか、その辺のバランス感覚は備えているように見えた。
アウベスのバックアッパーとして第一オプションになるのでは、とさえ思った。


<ソングは...>
デビューを飾ったソングだが、それほど仕事もなく。

ただ、要所で見せるフィジカルの強さは、明らかだった。ブスケッツの控えとなりそうだけど、それ以上の何かをもたらしてくれるポテンシャルはあると思う。

ポジショニングは、まだ荒さが目立った。
アンカーは、そこが最もバレてしまう位置だけに。
しかし、そこは時間の経過とともに解決されていくはずだ。





<総括>
全体的に、過剰な汚さもなく(タイトルの重要度もあるが)、素晴らしい試合だったのではと思う。
見ていて面白かったし、学べる試合でもあった。
今後の両クラブの進み方に、期待&注目だ。