スペイン、EURO2012優勝。
EURO2008、2010年W杯に続き、主要大会で3連覇を達成しました。
Falso 9
今大会、戦術面で最も注目を集めたのは、スペイン代表のFalso 9。
いわゆる、「ゼロトップ」ですね。
大会を通じて、このポジションを務め上げたのはバルセロナMFセスク・ファブレガスでした。
誰もが<バルサ型のゼロトップ>を期待していたと思いますが、スペイン代表のそれはちと違ったような印象です。
セスクは、限りなく本来のFWに近い動きをしていたように思います。
もちろん、本職は中盤なので、受けに下がってきたり、中盤のラインで数的優位を作ってのポゼッションに参加していたりしました。
しかし、大会を追うにつれて、セスクは“9番”に近い動きをしていたと思います。
イタリアとの決勝では、イタリアのサイドバックの裏に走ってボールを受ける動きや、センターバックの間にポジショニングをとったりスペースランをすることが多かったですね。
セスク自身も大会中に「自分はバルサのアカデミー時代に9番でプレーしたことがあるけど、それ以来のプレーだ。ただ、自分は監督が配置したポジションでプレーするし、このポジションは好みだ」と語っていました。
さらに、セスクは「メッシと自分を比べられても困る。メッシと自分は違う。僕は彼のように、4人を抜いてゴール上隅にシュートを決めたりはできないよ」ともコメント。
セスクなりの“9番”の追求が、決勝でのプレーであり、ダビド・シルバの先制点へのアシストとして形になったのではないでしょうか。
それを<スペイン型ゼロトップ>として、優勝という結果に結びつけたデル・ボスケの采配も見事だったと思います。
イタリアの誤算 その①
イタリアにとって誤算だったのは、準決勝でドイツに快勝してしまったことでしょう。
あれで、自分たちに生半可な自信を持ってしまった。
グループリーグでスペインと当たったときのようなリスペクトと守備意識は、決勝では薄かったように感じました。
GLでのイタリアは、スペインに対してもっとタイトだった。とにかくスペースを消すことに腐心していました。
もちろん、イタリアは勇敢だったと思いますし、『フットボール』という観点から見れば、彼らのスタイルは時代にクサビを刺す働きを示したような気がします。
個人的には、今大会のイタリアのサッカーは好きでした。
ただ、“勝負”という意味では、スペインに対してノーガードで打ち合いに行ってしまった。そして、返り討ちに遭った。
それでも、≪プランデリズム≫が浸透したプランデッリのイタリアサッカーは、今後も系譜を残すことを予感させました。今後のイタリアサッカーに、光が差し込んだのかもしれません。あのような大胆なサッカーで、準優勝は十分過ぎる結果だと思います。
イタリアの誤算 その②
イタリアの誤算、もう1つはシャビ&カシージャスの好調さだったのではないでしょうか。
シャビは、今大会良くなかったと思います。彼のオーガナイズ能力は、大会を通じてフルに発揮されていなかった。ブスケッツとX・アロンソのダブルボランチが効果的に機能したからこそ、スペインはポゼッションサッカーで優勝を果たしたように感じています。今大会に関しては。
しかし、決勝でのシャビは輝いていましたね。決勝の舞台で、あのパフォーマンスは経験からくるものかもしれませんが、流石でした。とりわけ、最初の15分と後半開始から途中まではパーフェクトな圧倒感を見せ付けました。2点目となったJ・アルバへのスルーパスも、素晴らしかったです。
また、4-0という圧勝に隠れてしまいがちですが、決勝でのカシージャスもベストに近いパフォーマンスを見せました。前半から、幾度となくイタリアのCKを凌ぎ、後半にはディ・ナターレの決定的なシュートを好セーブしています。
カシージャスもシャビと同様、経験を感じさせる圧倒感を披露したような気がします。
EURO2012で、さらなる進化を見せたスペイン代表。
果たして、このスペイン代表を倒すチームは現れるのでしょうか...
EURO2008、2010年W杯に続き、主要大会で3連覇を達成しました。
Falso 9
今大会、戦術面で最も注目を集めたのは、スペイン代表のFalso 9。
いわゆる、「ゼロトップ」ですね。
大会を通じて、このポジションを務め上げたのはバルセロナMFセスク・ファブレガスでした。
誰もが<バルサ型のゼロトップ>を期待していたと思いますが、スペイン代表のそれはちと違ったような印象です。
セスクは、限りなく本来のFWに近い動きをしていたように思います。
もちろん、本職は中盤なので、受けに下がってきたり、中盤のラインで数的優位を作ってのポゼッションに参加していたりしました。
しかし、大会を追うにつれて、セスクは“9番”に近い動きをしていたと思います。
イタリアとの決勝では、イタリアのサイドバックの裏に走ってボールを受ける動きや、センターバックの間にポジショニングをとったりスペースランをすることが多かったですね。
セスク自身も大会中に「自分はバルサのアカデミー時代に9番でプレーしたことがあるけど、それ以来のプレーだ。ただ、自分は監督が配置したポジションでプレーするし、このポジションは好みだ」と語っていました。
さらに、セスクは「メッシと自分を比べられても困る。メッシと自分は違う。僕は彼のように、4人を抜いてゴール上隅にシュートを決めたりはできないよ」ともコメント。
セスクなりの“9番”の追求が、決勝でのプレーであり、ダビド・シルバの先制点へのアシストとして形になったのではないでしょうか。
それを<スペイン型ゼロトップ>として、優勝という結果に結びつけたデル・ボスケの采配も見事だったと思います。
イタリアの誤算 その①
イタリアにとって誤算だったのは、準決勝でドイツに快勝してしまったことでしょう。
あれで、自分たちに生半可な自信を持ってしまった。
グループリーグでスペインと当たったときのようなリスペクトと守備意識は、決勝では薄かったように感じました。
GLでのイタリアは、スペインに対してもっとタイトだった。とにかくスペースを消すことに腐心していました。
もちろん、イタリアは勇敢だったと思いますし、『フットボール』という観点から見れば、彼らのスタイルは時代にクサビを刺す働きを示したような気がします。
個人的には、今大会のイタリアのサッカーは好きでした。
ただ、“勝負”という意味では、スペインに対してノーガードで打ち合いに行ってしまった。そして、返り討ちに遭った。
それでも、≪プランデリズム≫が浸透したプランデッリのイタリアサッカーは、今後も系譜を残すことを予感させました。今後のイタリアサッカーに、光が差し込んだのかもしれません。あのような大胆なサッカーで、準優勝は十分過ぎる結果だと思います。
イタリアの誤算 その②
イタリアの誤算、もう1つはシャビ&カシージャスの好調さだったのではないでしょうか。
シャビは、今大会良くなかったと思います。彼のオーガナイズ能力は、大会を通じてフルに発揮されていなかった。ブスケッツとX・アロンソのダブルボランチが効果的に機能したからこそ、スペインはポゼッションサッカーで優勝を果たしたように感じています。今大会に関しては。
しかし、決勝でのシャビは輝いていましたね。決勝の舞台で、あのパフォーマンスは経験からくるものかもしれませんが、流石でした。とりわけ、最初の15分と後半開始から途中まではパーフェクトな圧倒感を見せ付けました。2点目となったJ・アルバへのスルーパスも、素晴らしかったです。
また、4-0という圧勝に隠れてしまいがちですが、決勝でのカシージャスもベストに近いパフォーマンスを見せました。前半から、幾度となくイタリアのCKを凌ぎ、後半にはディ・ナターレの決定的なシュートを好セーブしています。
カシージャスもシャビと同様、経験を感じさせる圧倒感を披露したような気がします。
EURO2012で、さらなる進化を見せたスペイン代表。
果たして、このスペイン代表を倒すチームは現れるのでしょうか...