バルサが明日からアジアツアーへ旅立つ。目的地は韓国・中国。
個人的に注目はアレクサンデル・フレブとクリスティアン・テジョ。
フレブは先日行われたノルウェー遠征には不参加だったが、このアジア遠征には参加。相次ぐ主力の放出で、今季バルサに残留できるかどうか。その真価が問われる遠征となりそうだ。
一方のクリスティアン・テジョ。U-19にも何度か名を連ねたことのある若き18歳は、なんとエスパニョールユースから今季バルサ入りしたという変わり者。ましてやそのエスパニョールのユースに入る前はバルサのジュニアユースにいたのに首を切られている経歴を持ち合わせているのでなおさらだ。
昨季エスパニョールのユースに携わっていたブログの相方の話では、その能力もさることながらプライドの高さが“半端じゃない”。
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ある試合でのことだそうだ。
テジョは当時すでにユースではエース格。得点も一番取っており、名実ともにエスパニョールユースの“顔”となりつつあった。実際、彼はエスパニョールB(サテライト)に昇格を果たしており、Bチームとユースを行ったり来たりの生活(契約はユース所属であった)。
そんな中でのユースでのリーグ戦での1試合。その日テジョは、どこか精彩を欠いたプレーをしていた。そんなテジョに、ハーフタイム当時ユースの監督であったラモン・ゲレイロから雷が落とされた。
ラモン監督:「テジョ、お前の今日のプレーは何だ。Bに上がったからといって調子に乗っているのではないよな?」
これに対するテジョの反応がうちの相方の印象に強烈に残っているらしい。
テジョ:「俺は調子になど乗っていない。いつも全力でやっている。今日だって全力を尽くしているさ。ただ調子が悪いだけだ」
ラモン監督:「どうだかな」。
と言って、やり取りは終了。が、その会話が終わり、ハーフタイムも終わる頃、テジョはおもむろに立ち上がり、壁に向かって何かを叫びながらバンバンと拳を殴りつけた。
テジョ:「PUTA!!」(くそったれ!!)
その日の試合は結局後半テジョのゴールでエスパニョール勝利に終わった。
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ユースからBチームに上がり、その鼻をユース監督にへし折られる。ここまでだったら何だかありがちな話だ。
しかし、それにまで「俺は全力でやっている」と食って掛かっていける選手がどれだけ存在するだろう?
強烈なプライド。自分に対する自信。絶対の自負。揺るぐことのない自尊心。
タレント以上に、DNAに組み込まれた本能的な“誇り”。それが、バルサに切られ、這い上がり、またしてもバルサでの契約を勝ち取ったクリスティアン・テジョという選手を支えている。
クリスティアン・テジョ。おそらくバルサBでのスタートになるだろう。セグンダA(2部)でのスタート。
しかし、今季注目一押しの選手です。