CL第二戦のバルサ対インテル。

2点差以上による勝利が絶対条件だったバルサ。

この日のバルセロナは異常な雰囲気で過ごされた。

朝から、一般市民はバルサのユニフォームを身に纏い街を闊歩している。

仕事に行く人。

学校に行く学生。

広場で遊ぶ子供。

そして、犬にまで。

「もしかしたら今日、何かが起こるかもしれない」

いくらバルサとは言え、第一戦を1-3とゲーム展開を含め完敗したインテル相手に1週間の準備で2点差を逆転することは非常に困難だと、世界中のサッカーファンは誰もが思った。

流石のバルサでもどう見ても分が悪い、と。

しかし、どうだ。

この街の人たちは、心の底から信じている。「バルサなら、逆転できる。俺たちなら、できる。やってやるさ。今までだって何度も困難を超えてきたじゃないか。」

街が一体となって、インテルに襲いかかる。この空気は何なんだろう。

フットボールは、ピッチ上で起こる90分のゲームじゃない。

街を、人々を、世界を巻き込んだビッグイベントだ。

こんなにも人々を魅了するバルサのフットボール。

こんなにも多くの人々に晒されて、支えられて、叩かれて、バルサのフットボールは卓越していくんだ。

チャンピオンズ・リーグに浮かんだ、もう一つの顔。

フットボールが文化になっている国の、強さの真髄。

サッカーがうまい、戦術が優れている。そんな表面的な要素からはかけ離れた、本質的な違い。理屈を超えた、本当のフットボールの魅力が、根底にある。

そんな雰囲気を感じさせてくれた一日でした。