僕たち日本人からすれば、日本人選手初のCLベスト8出場がかかった試合。
本田 圭祐
日本中のサッカーファンが、彼に集中していたのではないでしょうか。
今回は、試合内容というより、本田にフォーカスを当てて、彼がこの試合で何をしたかというテーマで話してみたいと思います。
本田は、トップ下で出場。
完全に、モスクワの攻撃陣を牽引していました。
何よりも驚かされたのは、そのフィジカルの強さ。セビージャはスペインリーグでも4強に入るチーム。そのチーム相手に、フィジカル負けしない日本人を目の当たりにしたのは、正直衝撃的でした。
中田英寿が初めてイタリアに行ったのに、セリエAで屈強なDFたちに全く当たり負けしない、あの映像がフラッシュバックしました。
試合を通して、本田が示した“個の力”
①フィジカル
②インテリジェンス
③FKという武器
①は前述のとおりです。
②は試合を通じて非常に戦術理解度の高さが感じられました。どの点に、というと守備時のポジショニングと、攻撃時のボールの受け方です。
本田は、あまり走らない。それは日本にいた時からの印象と同じで、彼はあまり走ることを得意とする選手ではない。しかし、走らなくてもゾーンで守って、戦術を崩さずに守備のブロックを形成し、チームの一員として守備できることを彼はこの舞台で証明した。
ポイントとしては、
・海外に行ったからと言って、「走る」というプレースタイルに変えなかった
ことではないか、と。
③は言わずもがなですね。決勝点の無回転FK。
本田から学ぶ海外での成功例
彼本来の良さであるフィジカルの強さは、日本にいた時から突出していた。日本人は、えてして「国内で通じても海外では通じない。世界に行ったら違う部分で勝負した方が良い」と考えがちだ。
しかし、彼は自分を貫いた。そして、現時点、結果を出した。
また、「走らない」という部分も、日本にいた時から同じ。海外に出たら、周りには自分よりレベルの高いプレーヤーもゴロゴロいる。その中で、彼は「走るようにする」という大きな変化ではなく、「頭を使ったポジショニング」という違う要素でそこを補った。
そして、自分の武器であるFKに磨きをかけた。
極端に言えば、いかに自分の長所を突出させ、短所をどのように補うか。