タイトルは、「歴史を持つクラブのトーナメント戦」です。


このシーズンはじめのプレシーズンの時期に、バルセロナでは100年以上の歴史を持つクラブ同士でのトーナメント戦が行われます。計15チームが集うこの大会。3チームずつのグループリーグにまず分かれて決勝トーナメントに進むチームを決めます。そのグループリーグがこのところ毎日開催されるので、その試合を見に会場に足を運んでいます。


興味深いのは、カテゴリーの差があっても、試合になるというところです。だいたいばらつきがあって3~6部くらいのチームが参加する形になるのですが、そんなに一方的な試合展開になる試合というのがありません。


もちろん個々の選手の「差」というのも存在しますが、それも僅かです。スペインでいろいろなカテゴリーの試合を見ますが、本当に「差」というのがどこに生まれているのかいまいち実感としてわかりません。それは、自分が身を持って体感していくしかないのかもしれません。


個人的に気に入ったクラブは、「プレミア」という4部で上位につけるくらいのチーム。ここのフットボールは良かった。フォーメーションはスペイン伝統の4-3-3なんですが、ビルドアップのときの中盤の3枚の動き方、ボールの受け方が秀逸。3枚が抜ける、入る、引っ張るという動きを試合中絶えずすることで中盤にスペースを生み出し、ボランチを使ってのビルドアップを有効にしているのです。


あまりにも簡単にボランチのいる付近にスペースを作り、ボールを入れ、前を向き、ゲームを作っているので、「フットボールはなんて簡単なんだ」と錯覚してしまいました。見ていて美しいボールの流れ、パス回し、ゲーム展開というので全く飽きませんでした。


しかしえてしてそういうチームというのは、最後のフィニッシュのスパイスに欠ける傾向がありまして、プレミアの場合も例外ではありませんでした。バイタルエリア付近からのコンビネーション、アイデア、個の打開する力などが少し欠けていたのかな、と思いました。


それでも見ていて楽しいフットボールに、満足行く時間を提供していただけました。


バルセロナの地方に、これだけ歴史があって、素晴らしいフットボールをするクラブがある。でも、4部というカテゴリーで戦っているという現状。恐るべし、スペイン。


この国でフットボールにとりつかれる狂気的な要素のひとつであると僕は思います・・・。