「FCバルセロナ」西部謙司 を読んでみた。 | FCバルセロナファン

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にわかバルセロニスタによるゆるい日記。

 先日、ブックオフで散策していたら新書コーナーに「FCバルセロナ」というもの凄く潔いタイトルの本が売っていたので、思わず買ってしまいました。装丁が統一されている新書という枠でタイトルはクラブ名だけというシンプルさ、じゃあそんな本の中身はなんだろな、ということで興味がわいたわけです。
 
 「FCバルセロナ」 西部謙司 ちくま新書
 
 第1章 バルセロナという特別なクラブ
 第2章 なぜ、バルセロナのパスは面白いようにつながるのか?
 第3章 バルセロナだけが持つ勝利のシナリオ
 第4章 バルセロナ最強のプレイヤーたち
 第5章 バルセロナの歴史とプレー哲学
 第6章 バルセロナと対抗勢力



 背表紙でバルサの入門書決定版!と書いてある通り、最近になってバルセロナが好きになった僕にとってぴったりな内容の本でした。大まかですがクラブの歴史や、哲学が確立されていった流れが書かれています。
第6章の「バルセロナと対抗勢力」では、記憶に新しいところで昨シーズンのクラシコでの戦術変化の過程などが書かれていて、思い出しながら読めて面白かったです。レアル・マドリードのバルセロナ化などの話は興味深かったです。
 
 第3章「バルセロナだけが持つ勝利のシナリオ」ではクライフの右腕としてドリームチームを支えたレシャックの「われわれのやり方で、ボールを70%程度支配できれば、試合の80%には勝つ事が出来る」という発言が載っています。
 「われわれのやり方」というのがバルセロナの哲学ということになると思いますが、裏を返せば、その哲学を貫いても20%は引き分けるか負けであると考えていて、サッカーの不確実性に対して謙虚に向き合っているのがバルセロナだと書かれています。
 この章では「われわれのやり方」が細かく書かれていて面白かったです。バルセロナのサッカーが論理的だということがわかりました。
 

 そういえばシャビのプレーってある側面から見ると憎たらしい程合理的ですよね。こっちからパスが来て相手がこう来るからこっちにトラップしてあっちにターン。論理的に考えてサッカーで勝つ為に、正しい方法論として誰でも目指せるはずだけど、彼にしか出来ない。やっている事は一つの正解として皆が手本にできることだけど、彼しか体現出来ない。わかっちゃいるけどボールを持つ一瞬の中で頭と体がついていかないわけです。
何気ないプレーだけど唯一無二。なので誰もがわかる合理的な正解が、彼にしか体現出来ていない故に芸術的に見えてきます。そういうところが玄人好みのプレイヤーと言われる所以であると思ったりしました。