※ピンクの字はバービーの心の声
お姉ちゃん(このブロクの筆者)とダー(お姉ちゃんの旦那さん)が、玄関先で話している。
ダーが突然、ブツダンというものを持って帰ってきたみたい。
ブツダン?何だろう?調べてみる。
仏壇=Buddhist altar
仏教徒が供物を備え、先祖や故人を祈る場所って。
そうか、ダーのご両親の仏壇なのね。
でも…お姉ちゃんの顔が微妙に険しい。
私はお姉ちゃんといつも一緒にいるから、表情から彼女の気持ちを読み取れる。
多分、ダーより読み取れるわ!
いつか持ってくるのは了解してたけど、今日とは聞いてないよ?
置き場も決まってないのにどーすんの?
これから、ご飯作ろうってときに…。
え?遺影捨ててきたって!
嘘でしょ!!
は?「家にあるだろ」って、あれはスナップ写真だよ?意味合いが違うんだけど…
と思っているらしいお姉ちゃん。
イライラ度が急激に高まっているのを察知した私。
二人のあいだに割って入ったわ。
バ「ねぇ、これ、私のドールハウス?」
姉「違うよ!これは仏壇って言ってねー。日本ではカクカクシカジカ」
さっき調べてわかったから、ここは聞いてるふりしてスルー。
バ「ふうん。そうなんだ。でも私サイズだね。
小さな寺院みたい!ミニチュアワールドだわー。」
姉「言われてみればそうね。良く見るとどこかの寺院のミニチュアみたいだよ。」
ふふふー。
お姉ちゃんは私や盆栽が好きだから「ミニチュアワールド」っていうキーワードに反応すると思ったんだよね。
バ「それに見てよ!日本の匠の技が散りばめらてるよ。彫刻や組木に螺鈿細工。刺繍も美しい〜。どれも手が込んでてすごいね。」
これはお姉ちゃんを落ち着かせるためではなく、本当にそう思った。
日本人て恐ろしいほどに器用なんだなぁ。
姉「本当だね。仏壇て芸術作品でもあるんだね。」
と、話しているうちに、イライラ度がほぼゼロになったお姉ちゃん。
姉「ま、持ってきちゃったものはしょうがないわね。ダーはダーなりの考えで持ってきたんでしょう。
まぁ、たかが箱ひとつ、そんな深刻になる話でもがたがた騒ぐような話でもないか。」
そう微笑むお姉ちゃん。
良かった!般若になるところを菩薩に変換出来たわ。
ダー、セーフだったね。感謝してね!
そうそう。たいていのことは大した話じゃないのよ。
自分が大した話にしちゃってるんだよねー。
それから、ダーとお姉ちゃんは仲良く仏壇を整えていた。
小さな仏具を「こっち?」「ここじゃない?」と並べる姿は、二人でオママゴトをしているようで、なんだか笑えた。
仲良くねー