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月に一度の診察。
もう随分慣れて、主治医とは冗談まで言い合えるようになった。


医者はとにかく私から演劇を遠ざけようとする。


投げやりに「演劇を辞める」と言ったら、満面の笑みで「いいじゃないか」と言ったわ。


医者から言わせると、私は心も身体も健康なんだとか。


今後再発しないように、毎月毎月病院に通い毎日毎日薬を飲んでいる。


「声」の消える薬を飲んでいても、一向に「声」が消えないのは、勿論医者には内緒。



「声」が無いという前提で、再発の話をしたの。


今後再発したらどうなのか。


「憑依」と言う表現は先生は使わなかったけれど、元夫へした憑依状態について


「前のご主人にあなたは怒った。その表現が悪かったんだよ」と。


どういう意味かわからなくてキョトンとしてる私に更にこう言ったの。



「表現って何かわかるかい?」



憑依状態の時、ただただ自分の内側から聞こえる、自分でも思いもよらない現象で、いっぱいいっぱいだった事を思い出して思わず


「わかりません」


って答えたら


「それが演劇なんだよ」


って言われたわ。


あの時私は演劇するつもりは全く無かったけれど、少しずつ少しずつ先生は、私の不思議な現象に答えを出してくれる。


スピリチュアルも精神障害も紙一重。
自分の内側で起こっている事は、私の想像を遥かに越えているわ。


動きと声と自分の意識が、バラバラになって、始めて「憑依状態」になる。


あの時の感覚は忘れない。


何者かに入れ替わり立ち代わり、私に問いかけて来た人格の感覚も忘れない。


じゃあ、それが演劇というならば、いつかわたしは、自分の内側でバラバラになった「わたしたち」にチームを作り演劇をして行くのかしら。



バラバラになったわたし。


感情の器が壊れた現象。


本当の再発。


「わたし」を「私」にするには、自分が思っている以上に強く行かなくてはいけないの。


「私」の中であちこちむいている「わたし」はいつか




ひとつになって



誰か違う人になってみたい。



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