4ポートハブ USBケーブルという便利なものがあります。
パソコンのUSBポートが少ない場合にこれを使うと1つが4ポートになる分配器です。イメージしにくい方は『1つのコンセントから複数の電気器具に電気を供給するためのタップ』、これのパソコンVersionとお考えください。
延長コードや、『ふたまた、三股の電源タップ』がいかに家庭に普及しているかを考えますと、USBハブの存在はネット社会において当然といえます。
ちょっと待って。
どうして最初から複数のポートにしないの?
いや、ふたつのUSBポートがあれば充分という方でも、USBハブが必要になるケースがあります。分配しない方でもです。
これは、元々のポートの間隔が狭い場合、2つ差込口があろうが2本挿せない場合に起こります。挿す側の幅が大きくてぶつかるのです。無理をすると壊れます。
なぜそのような不便な構造なのでしょうか。
「あと1ミリ、間隔があればハブ要らないんだけどなー」
USBハブの悪口ではありません。
人はなぜ購入意欲が湧くのかという点についてお話をしています。
携帯電話。お持ちですよね。
もし仮にあちこちに電話ボックスがあれば私はケータイの契約はしません。
もし仮に、「このケータイはサポート終了です」というシステムがなければ、永遠に1台を使い続けます。故障しないように使っていても「○年○日からあなたの携帯電話は使えなくなります」という連絡が来るから、仕方なく買うのです。
つまり、人は不便を感じたときに「あれが欲しい」という欲が生まれます。
大抵のヒット商品は「なくても良いモノ」ではなく「なければ困るモノ」です。
地デジTVがそうです。
アナログで満足していた人でも、放送終了と同時にテレビを買い替えました。
下記をご覧ください。
・ノンアルコール、無香料の脱臭剤
・金属アレルギー対応の指輪、ネックレス、ブレスレット
・地上デジタル放送TV
・アナログ放送時代のTVチューナーブースター(電波の弱い地域でも画質が良くなるものです)
・鎮痛剤の刺激から胃を保護する内服薬
・節水タイプのトイレ
・無線家電(コードレスホン、Bluetoothイヤホン、Wi-Fi、ワイヤレスマウスなど)
・マグネット式ドライバー(ビスがくっついて落下しない)
・紙製の外箱がゴミ多量になることを想定して作られた、ビニール入りティッシュペーパー
・アームチェア(肘掛けがついた椅子。別名安楽椅子)
・インクが出やすいボールペン(筆記の摩擦抵抗が低いジェットストリームペンなど)
・味はそのままで、カロリー控えめの清涼飲料水、炭酸飲料
・自立ステッキ(手を離しても倒れない杖)
・LED照明(電球交換が不要、節電対策)
・カメラの美肌効果アプリ、目をパッチリさせる機能
・錆びない金属、重たくない金属
・異物、埃から目を保護する設計のメガネフレーム
・耳が痛くならないマスク
これらは大変優れています。
殆どが「不便さが表面化してから生まれたもの」ですが、なくてはならないもの、手放せないという人もいるぐらい良い発明です。
鉛筆が発明されたとき、それはそれは重宝されたことでしょう。
そのあとに「用紙がもったいないな」「書き損じたときにどうにか出来ないかな」というように不満が生じて、消しゴムが誕生。
鉛筆の考案者にケチをつけるワケではないのですが・・・
どうして「自分で使ってみて、不満を感じ、消しゴムとセットで」売ろうとしなかったのでしょうか。
答えは簡単。
競争だからです。
消しゴムとセットで、なんて考えていたら他者に鉛筆発明・公表・特許・販売において先を越されます。
だから「どこか不便な面はないか」を感じるまで使わずに「先ず、売る」。
不便な点をあげたひとが多くなってから研究し、改善された商品なら問題ありません。消費者の声に耳を傾けている素晴らしい会社です。
しかし。
あえて不便な点に目をつぶり、内緒のままAという商品を販売し、のちに「Aの欠陥部分を改良した商品Bを発表」というパターンの会社が多くなった気がします。
まず自分で使ってから売るという姿勢。
欠けてやしませんか。
「絶対にあとから不満な声が出てくるから、改良品は後出しにしておけ」
そんなメーカー、多くありませんかね・・・。