番組の企画で、やむを得ず無礼な態度を取り、カッとした猪木さんに片手でテーブルにねじ伏せられる三村マサカズさん。

 

まるで虫ピンで押さえつけられた昆虫のように身動きが取れない三村さんを見て、「とにかく許しを請うには抵抗しちゃいけない」という意志を感じたシーンです。

 

尤も、この状況で少しでも逆らい、三村さんが腰を引いたりしようものなら、大怪我しているかも知れません。

猪木さんも冗談がわからない人ではありませんので、物凄く手加減をしているはずです。抵抗されると厄介ですが、よく見ると理にかなった方法で『抵抗しようがない崩し方』をなさっています。

 

猪木さんは右手で軽くビンタ、速やかに左手で三村さんの右襟を掴みます。ビンタも目に入ったりしないように最大限の注意を払っています。

 

右襟を掴んだまま、やや大きなモーションで猪木さんは右手で三村さんの頭髪を掴みます。大きな動作じゃないと三村さんが余計に動く危険性があります。

 

三村さんとしては(もしここで猪木さんの動作が止まっていたらの話ですが)、頭髪を掴まれたという事実と握力に驚き、おそらく「倒されるなら自分の右側」と感じたはずです。三村さんの意識はどう考えても猪木さんの右手です。

 

通常、右手で相手の頭髪を掴んだ場合、力を加える向きは自分(猪木さん)から見て左手側。押し込む。

ところが猪木さんは反対方向に三村さんを倒します。

もし三村さんが抵抗していたら腰も首もひねってとんでもないことになっていたことでしょう。

 

抵抗する間を与えないためなのか、猪木さんは加減をしながらとてつもない速度で三村さんをテーブル上に押し付けたのでした。

 

蝶野正洋さんもおっしゃっておられましたが、「プロレスのリングに上ったことのない素人さんに、絶対に怪我をさせずに攻撃(バラエティでのビンタ)をすることは難しく、アクシデントは考えられる。」そうです。その要因の1つが相手の抵抗です。山崎邦正(月亭方正)に毎年末、ビンタをかましていた蝶野さんは万が一の事を考え、松本人志さんや浜田雅功さんなど、山崎邦正以外の芸人にはやらないと決めていたそうです。慣れた邦正じゃないと危険でしょう。

 

猪木さんが三村さんを押さえつけることは当然、造作もないことでしょうが「絶対に怪我をさせずに。」となると力の方向は決めておかなくてはなりません。

ところが、このシーンは左右に揺さぶっているように見えます。文字通り「ねじ伏せて」います。

最初に見た時は「危ない崩し方だなあ」と感じました。

しかし、よく考えると猪木さんの両手で首から上をガッチリ掴まれた三村さんは逃げる暇もなく、力を体に入れる時間もないまま、「気づいたらテーブル上に押さえつけられていた」感じであることがわかります。危ない崩し方どころか、最も安全で確実な押さえ方。

 

腕力は勿論、武芸に秀でた猪木さんの強さに於いて、しっかりとした説得力を見たワンシーンでした。

三村マサカズさんが可哀想で、いたたまれなくなった企画であることは事実です。カメラがあっても誰も助けに来ない(※猪木さんに状況説明をするスタッフがいない)のですから、生きた心地がしないでしょう。全部台本で、リハーサルがあったとしても、私なら断ります。今は駄目かもしれませんね、このテの企画。

 

 

 

 

・1992年高校野球松井秀喜5打席連続敬遠直後、1塁ベース上の表情

 

松井さん、目を閉じているんです。

高校球児として最後になるかも知れない打席、バットを振らせてもらえなかった打席。

 

この表情について私なりに考え方はありますが、このときの松井秀喜さんの胸中は誰にもわかりませんので、ここでは何にも無し。ただし故意四球については下記に述べます。

 

 

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・高校野球の故意四球

 

高校野球では、打者は打球をフェアゾーンに飛ばすように務めなければならないというルールが明文化されています。つまり、故意にファウルすることは禁じられています。2ストライク後、故意ファウルとみなされる打球を放った場合、打者は三振になります。

 

故意に四球を狙う作戦、「打者がファウルで粘ること」は禁じられ、

故意に四球を投じ、「守備側が打者を1塁に歩かせる戦略」は認められています。

 

ルールの上で、ストライクゾーンで勝負することが野球の鉄則になりにくいことは存じていますが、本来論じるべきはずの一方が失われているように思います。

 

KKコンビが在籍していた頃(1985年)のPL学園が29対5で大差をつけていた甲子園、マウンド上にはエース桑田ではなく清原和博が投じていました。球審は口頭で「直球を真ん中に投げなさい」と清原に注意したそうです。(清原が変化球を投げたため。)

 

高校野球はこういった教育理念があります。「高校生らしく」「正々堂々と力の限り」のように。

そうであるなら、故意四球(明らかな敬遠)はルールの上で認めても、審判は「高校野球はこういうもの」と教育するために、『勝負しているように見せかけた故意四球』に対しては「ストライクゾーンで勝負しなさい」と注意してもよいのではないかと。

 

『ヒットを狙って打っているように見せて、ファウルを狙う戦略』には注意できるのですから。

 

2020年から高校野球でも申告敬遠が認められたそうです。

申告敬遠については、一方的に一塁に歩かされる打者に意思の選択権がないことなどから、私は反対です。(例:戦略的に三振することが出来ない。スクイズも出来ない。暴投がないため振り逃げやパスボールによる進塁がない、盗塁も出来ない。プロ野球史で過去にあった新庄剛志、ウォーレン・クロマティ、長嶋茂雄のような敬遠時サヨナラ打がない。四球投じる逃げた姿勢を見せずに済む投手が精神的に優位になる。など。)

 

星稜高校松井秀喜5打席連続敬遠時に気づいたのですが、敬遠後、内野陣がマウンドに集まって投手に気合を入れたり、塁上の走者数とアウトカウントを照合して十数秒、話し合っています。

この話し合いを球審はやめさせるように歩み寄って「守備位置へ散りなさい」と口頭注意する権利がありました。

 

高校野球児は手本がプロ野球選手です。

ところがそのまま模倣は出来ない括りが幾つかありそうです。

 

例えば敬遠のボール球を故意に振る無言の抗議。

たぶん空振りしてもボールと判定されるのではないでしょうか。「らしくない」ということで。

 

リリーフピッチャーがマウンドに行く際は歩いてはならない(「走りなさい」と言われます)とか。ガムを噛んではならない、ベンチからのヤジを慎む、など。

 

 

 

・説得力のあるレスリングテクニック(グロムザザ)

 

 

 

 

・アントニオ猪木さんの説得力ある「ジタバタ」

 

ビル・ロビンソンに3カウントを奪われるシーンです。

他レスラーと違い、3つレフェリーがマットを叩くことを「ただダラっと無抵抗」ではいません。

プロレスという興行に、競技性の説得力を見せた猪木さんのセンス。

 

 

サソリ固めに入られる前に、格好悪くてもジタバタもがく。

この猪木さんのジタバタが、長州力のサソリ固めに ″威力″を感じさせます。「入られたらおしまいだ」という・・・。

 

 

観ていてわかりにくいはずの関節技。

それを合理的に感じさせる、サソリ固めからの逃れ方。

マットと自分の体に空間を作り、反転して無理なく柔らかく返しています。

猪木さんのストロングスタイルプロレスに対するこだわりを感じさせます。

 

 

 

 

 

 

オマケ。

・橋本奈々未、サイレントマジョリティー

いい時代でしたね。

 

土生瑞穗さんを「どいちゃん」と呼ぶ、松村沙友理さんに好感が持てました。

 

 

 

・『乃木坂基礎工事中』
「若月佑美の脱マジメ化計画」2015/12/13 ONAIR 収録終了後

 

 

 

 

佐藤楓メインの『滑舌、発声を良くする方法』のコーナーは楓さんのご両親からのお話と大声を出すヤッホー選手権で尺が間に合い、高山一実→佐藤楓のアドバイスシーンは全面的にカットされています。

 

ご覧のように滑舌改良体操には箸を2本使います。

佐藤楓の発声が良くないという話から高山アドバイスまでには台本がなく、急に始まったことです。箸を使うことは想定外です。

 

でも画像では佐藤楓さんも高山さんも箸を2本ずつ持っていますね。

あら?

何故?

 

 

 

 

若。かゆいところに手が届く。まるでドラえもんです。若月佑美。

 

私はこのくだりを全て信じているわけではありません。

おそらくは、

今日使う予定があろうがなかろうが、若が常に箸をスタジオ収録に持ってきていることは設楽統と高山一実は知っています。

佐藤楓さんの発声の話からヤッホー選手権まで、若や箸のことは設楽統も高山一実も頭に無かったはず。

「そういえば・・・」とひらめいたのはスタッフです。ただし箸のことではありません。

カンペに「高山一実が滑舌のレッスンを受けたことがあります」と表記され、それを見て「話が膨らむかも知れないな?」程度の感覚で設楽さんは高山に「以前、レッスン受けたよね?」と振ります。

高山一実がここで「そうですね。」ぐらいしか言えなければここでおしまい。彼女は過去にどういうレッスンを受けたのか思い出し、「箸を使ったよなあ、あの時。あ、箸といえば・・・!」と瞬時に若へMCが話を振れるように、「箸を使うんですけど」→MC設楽統「あー、箸がないと・・・若月。」という流れだと思っています。

 

佐藤楓は何も知りません。

高山一実は滑舌から若に持っていくまでは知らず、知っているのは「今日も若は箸を持ってきていること」ぐらいです。

若も何も知りません。台本にも触れられていなかったはずです。

 

設楽さんは全てを知っている可能性がありますが(つまりもうひとつの台本の存在)ここまでうまくいくとは期待していません。

 

と、踏んでいます。

 

気になるのは若がこのコーナーに必要な本数ぶん(両袖に2膳ずつ。4セット)、持っていることです。

常に箸を持ってスタジオに入っているのは事実ですが、昔、若は内ポケットから箸を出して椅子に置いたようなシーンがありました。女性用ジャケットに内ポケットは通常ありませんので、若は左上腕部に箸を入れていました。

 

となると、4セット、両袖に入れていた事自体は事前打ち合わせがあったと考えるのが常套。「多めに持ってきてください」程度でしょうが。

さすがに毎回両袖に4膳仕込むことは邪魔でしょう。

 

若が立ち姿勢の時、箸を使うことになった場合は別途、渡す人がいました。これは何度か見たことがあります。桜井玲香さんです。

 

ここまでよく出来たシーンが撮れて、全面的にカットになっている要因は容易に推測できます。ただし、佐藤楓さんが可哀想かな?

 

本当に偶発的に撮れたシーンだった可能性もありますので、うまく行き過ぎてカットされたように感じます。

全てを信じると馬鹿にされそうです。でも、若はこういう人です。充分、ありえます。