義母は3姉妹である。

 

片田舎に生まれたが、とにかく全員美人で

恐ろしいことに3人とも「憧れの職業」に乗りそうな人間と結婚した。

所謂玉の輿である。

 

そのうちの一人、1年ほど前に亡くなった義母の姉のことについて。

 

 

義母の姉は親の言われるように看護師になり

当時ブイブイ言わせていた若手医師と結婚した。

 

 

二人の子供を儲け(夫の従兄弟にあたる)

家を建て、専業主婦へ。

傍目からは順風満帆な生活に見えた。

 

 

ある日、娘が12歳、息子が9歳の時

朝目を覚ますと夫の主要な荷物が全部消えていた、そうだ。

 

 

家族3人はパニックで

「うちの夫のことなんか知りませんか!?」と

文字通り足を棒のようにして探しまくった。

 

 

職場は退職されており、

当時はインターネットもない(1990年代)

自死した…⁉︎と疑ったがそのような予兆はなかった。

 

 

警察に連絡するも「大人の男やで」と

そこまで取り合ってもらえなかった。

 

子供は不安障害に陥り、家族3人で固まって眠った。

母親は看護師の仕事を再開した。

 

 

気が強く、手が早く、子供を抱えた女は強い。

あっという間に看護師のトップまで登った。

 

 

ある日、他国にシンポジウムに行った医師から

「あんたの旦那さん見たんやけど…

周りに聞いたし、アレは多分あんたの旦那さんや。

ラストネームXXXXやろ?珍しいから覚えてた。」

 

と報告が入った。

 

 

 

夫は、国を跨いで不倫をして家庭を持っていた。

ある日突然家を出たのは、向こうの嫁が出産し

こちらの生活よりも向こうの生活をエンジョイしたーい!とのことだったと。

 

とんでもねぇ鬼畜だな…と思ったが

更にワァとなったのは

Facebookで息子と娘にフレンドリクエストをしてきたことだ。

 

 

「ほんまにごめんやったで。ダディは君らのことを忘れたことはないよ。」

と、真摯に謝る内容から始まったらしいが、

 

娘の方は「くたばれ」

息子の方は「お前は家族を捨てた。どう言うことかわかるか」

と、全力で拒否しようとしていた。

 

 

ぶっちゃけ彼から連絡がきた時は、

一族会議になったそうだ。

 

母が「転がしてたら面白いから繋がってみろ」

と言ったことで表面上だけ繋がったらしい。

 

 

母親は父親の国を跨いでの不倫を知って、

離婚が成立した後、程なくして再婚した。

 

 

娘の方はオペラ歌手になり、

結婚をすると言うことになったのだが、パーティーで

「あなたと彼のベイビーなら可愛いわ美男美女」と、

妊娠している友達から花束をもらったらしいのだが

 

 

「それは絶対言わんといて。

私は子供に私のようになるリスクを持たせたくない。

彼が欲しがってもファックノーよ。」

と吐き捨てた。

 

 

彼女は定期的にうちの夫に連絡を取り、

あんたの息子は弟の小さい頃に似ているから、と息子の写真をせがむ。

 

 

弟の方は歌手と結婚。

子供ができたが、現在ティーンになった男の子にドレスを着させて生活をしている。

 

 

最近その子供たちについて、

不倫した旦那がもっと密にしようぜ!と連絡を取ってきているらしい。

 

 

お前が家族に作ったヒビは、能登地震のヒビよりデカい。

 

ていうか国を跨いでよくやったよなおっさん…