日本にいた時に付き合っていた人は、

やたらと実家に連れて行きたがる人であった。

 

 

一度、ちょっと忘れ物を取りに行くから、と家に入り

彼は2Fの自室にあると、上に上がったので

私は1Fの居間で彼が戻ってくるのを待った。

 

 

1Fは色々な本が本棚に、これでもか!と詰め込まれており

地震来たら怖いでぇーと思いながらボーっと見ていた。

 

 

2Fでドタドタと何かを探している音がする。

ストーブの前で座っていると視界の端にチラっと人間が映った。

ドアの代わりにある、ジャラジャラの後ろに誰かがいる。

 

 

誰もおらへんのちゃうんか!と思いながらも

「コンニチハぁ、お邪魔してますぅ!!」と声をかける。

 

顔は見えないが背の高い男の人で、そこで止まり

「Kちゃんかぁー?」と声をかけてきた。

 

(お父さんかな?)と思いながら

「イエ、違います、XX君とお付き合…」

 

 

「ほな、はよいにぃー」

 

「あ、ハイ、XX君が忘れ物とってきたらすぐに…」

(えらい古い言葉使うな!?ほんでなんか失礼やな)

 

と返答すると、その男の人はスルーっと背を向けて玄関のほうに行った。

 

 

2Fから彼氏が戻ってきた。

「これやこれや!」と箱に入った古いゲーム機を持って来て

すぐに家を出た。

 

 

家を出る時に「お邪魔しましたー」と声をかけるも何も返ってこない。

 

 

「あんたのお父さん、家にいはったで」と言うと

「親父今仕事やし、おらんで」と返される。

 

「いや、Kちゃんか?って聞かれたし。

はよ去ね言われたけど、何か機嫌悪かったんかな?」

 

と言うと

 

「あーそれ俺の姉ちゃん。親衛隊まだ出んのか笑」

 

 

Kちゃんというのは元カレの姉で、

とにかく美人でいつもニコニコしてるお姉さんである。

 

 

そして元カレの家はかなりの何かが出るお家であるが

お姉さんはやたらとそれらに気に入られて、

部屋を変えても塩を盛っても何の効果もなく

ノイローゼ・不眠・ストレス全てを発症しアウト。

 

 

大学進学を機に家を出て、

そこからほとんど帰宅していないとのこと。

 

 

やっぱりそういうのも美人が好きなんやな…と思ったが

気に入られるのもホンマに大変よな。

 

一人ではなく何人も居たから、

家族で親衛隊と呼んでいたらしい。

 

 

駅からそこそこ近く、スーパーなどの利便性もとても良い。

 

 

ただ、夜中寝ていると金縛りにあい

「自分と同じ格好でベッドに寝てる奴がおる」とか

 

物を満載して開かない物置の奥から、おばあちゃんの声で

「おるかーおるかー」と声を掛けられたり

 

家鳴り・テレビONOFF・人が通る、

炊飯器が転げ落ちるなどもあったりしたらしい。

 

 

利便性VSストレス

 

 

まぁそんな実家住んでいながら、私の祖母家に行った時、

家の前で「あ、俺ここ嫌、無理。しんどい」と言わせしめた。

 

 

Youtuber連れてきたら一番ええんよなぁ…取れ高取れ高。

 

 

昨日も今日もエラい頭痛で本当に起きていられない目眩で、

ずーーーっと寝ていたら、夫と息子が部屋の壁を汚しまくって

退去に必要な掃除をしていると、

物凄い量のゴキブリが出てきたっていう最低な夢を見た。

 

 

ゴキブリも瑕疵物件の一因よな。