海・・・・・・
いや正確には海ではない。

しかし、まさに海と呼ぶに相応しく、おびただしい量の液でそこは満たされていた。

男は膝から崩れ落ち、ただ愕然としていた。

「どうしてこんな事に・・・」










~数時間前~


部屋には誰もいない、僅かな月明かりだけがさしこむ不気味な空間。


男はあらかじめ用意をしておいた道具を機械的に配置していた。







今まで何度も積み重ねやってきた、しっかりとシュミレーションも出来ている、失敗はあり得ない。


配置が終わると、男は満足そうに部屋ながめていた。

「必ずレクイエムを聴かせてやる・・・」そんな風に言っている様にも見えた。










男は、依頼された任務は必ずやってのける。

殺し屋・・・・そう呼ぶ者もいる。
今回の任務も、男にとってみればたやすい任務であった。










あとはコックを1つ捻れば、密室となったこの部屋で完全犯罪が成立する。






男は足音を忍ばせて、部屋の隅まで行くと、静かにコックを捻る。







「フッ」



男は不気味な笑みを浮かべ、無言で部屋を後にしたのであった。


続く。