5月17日
爽やかな五月晴れです。
小学生の頃、歌った
「若葉」という曲、
思わず口ずさみたくなります。
 爽やかな緑よ
 明るい緑よ
 鳥居を包み
 藁屋を隠し
 かおるかおる
 若葉がかおる。
 と歌われたあの歌です。

そして必ずこの季節に
口ずさみたくなるのが
 卯の花の匂う垣根に
 ホトトギス
 早も来鳴きて
歌い出す
夏はきぬ。

春夏秋冬季節の変わり目、
暑いの寒いのと不満を漏らす以前に
その時期の歌が思わず口をついて
何故か1人、感激の涙を流したり。

本当に歌って様々な思いが
浮かび上がりますね。

もう過ぎた話しで恐縮ですが、
先日の火曜日の夜8時前からの
NHKの歌コンの番組の話しです。

私、この番組はたまに観る程度ですが、
先日は番組の宣伝で、
二葉百合子さんが出られると知ったので
楽しみにしてました。
あのお方は、
大分前に引退された方なのですね。
先日、谷原章介さんのご紹介で
舞台に出られました。
お久しぶりのお姿、
坂本冬美さんと舞台上に現れました。
そしてその前々日が母の日という事で
私の期待通り、
あのお方の持ち歌、
「岸壁の母」
聞かせて下さいました。

聴きながら私、
何故か涙が止まらなかった。
無論、歌詞の内容にも感激ですが、
おん年92歳のそのお姿に
ただただ感激。
マイクを持ち、堂々とした歌いぶり。
背筋もしゃんとしており、
お声も現役の頃と何も変わらずに。
合間に入る浪曲調の台詞にも
気持ちが込められており
フルコーラス全て歌い切り
聴いてて私の胸に
染み渡る思いでした。

とても92歳とは思えないお姿。
普段、常に発声の訓練は
されてるのでしょうね。

そして私の思いはあの頃の事です。
凍土シベリアに抑留されて、
戦争が終わっても
家族の元へ帰る事叶わなかった人々。

抑留者の辛い体験談は
書物やテレビドキュメンタリー等で
沢山聞いてきました。
小説家のなかにし礼さんの
「赤い月」や
山崎豊子さんの
「不毛地帯」などなどで語られる
その過酷な話しに、
読みながらため息の連続でした。

因みにこの舞鶴は
もう20年程経つかしら、
我が夫婦と妹2人の夫婦で
鳥取砂丘や天の橋立、
伊根の舟屋など旅行した帰途、
ちょっと寄って来ました。
車から降りた時
終始聞こえて来たのが、
この岸壁の母の音楽でした。
ゆっくりは出来なかったけど
当時の写真が一杯掲示してあって、
当時を偲んで矢張り涙が
流れて流れて悲惨な戦争を
心から憎み、
それが歴史だというには
余りにも個人個人の犠牲の大きさに
胸が震える思いでした。

この度の二葉百合子さんの歌に、
子供の頃の辛かった体験、
忘れじとの思いが、
益々湧き上がって来ました。