27年前の六本木芋洗坂にBar.はオープンしました。
Bar.通信『開店26周年記念インタビュー企画配信』
インタビュアー質問『激動に変化する時代の中、飲食業界に思うことはありますか?』
バーテンダー回答。
グローバル化していく世界の中で新自由主義の波に飲み込まれると、自分はどう生きるのかという道標を見失ってしまいがちです。ソーシャルネットワークに映し出される見知らぬ人の価値観に惑わされてしまうと、自分の存在が分からなくなり、幾ら金銭を稼いだかが人の価値だと勘違いしてしまいます。
バー業界で三種の神器と言われていたものがありました。私が六本木の芋洗坂にバーを開店させた頃、葉巻、ワイン、フレッシュジュースがバー業界のトレンドでした。その当時、葉巻やワインの消費量増大に合わせて、輸入される種類も増えていきました。葉巻を保存するヒュミドールやウォークインのワインセラーを設置するバーが増えたのも、この時期です。その昔、バーにビールやワインは置かないという時代では考えられない事でした。日本のバーで提供される繊細な味のフルーツカクテルには数年前から定評があったのですが、二十一世紀に突入した頃から海外のニューウェイヴカクテルが飲食業界を席巻します。いかに美味しい果物のジュースをカクテルに活かすかが繁盛店の課題になっていました。その後、料理業界のエル・ブジが話題になると、カクテルの世界でもエスプーマなどの新しい手法が次々と導入されます。スモークガンや蒸溜器を使用するバーシーンが展開されていくのです。インスタ映えという言葉も進化するカクテルシーンを後押しします。現在はボタニカル、ネオクラッシック、ミクソロジストという言葉がバー業界のトレンドになっています。
日本初のバーといわれているのは、桜田門外の変が起きた一八六〇年開業の横浜ホテルのバーです。製氷機が一般利用される以前なので今、私達がイメージするカクテルシーンとは異なります。新しい技術や文化の導入でカクテルは進化し続けているのです。例えば、ギムレットというカクテルは、ジンとライムをシェークするのですが、創作当初はシェークせずに作られていたと考えられています。今もサヴォイホテルのカクテルブックには、その頃の処方が記載されています。バーテンダー修業時代の私は、カクテルの逸話や古い処方の本を読み漁っていました。私の手元にパリのハリーズ・ニューヨーク・バーのカクテルブックがあります。そこには一九一九年のホワイトレディの処方が記載されています。現在の一般的なジンベースではなく、ホワイトミントリキュールベースのホワイトレディなのです。そのカクテルを飲みに私はパリを訪れました。その時、ハリーズー・ニューヨーク・バーのチーフバーテンダーをしていたのがムシュ・ロフォンです。彼のお気に入りのカクテルはムッシュ・ロフォンの特別処方で仕立てたアメリカ―ノです。元々、アメリカーノというカクテルは、一九〇〇年代の初期にイタリアで出来たカクテルです。意味合いはイタリアの亜米利加人といったところでしょうか。カンパリとイタリアンベルモット(スイートベルモット)を炭酸で割る物です。イタリアの酒だけを使用しています。 このアメリカーノというカクテルはその後、フランスで流行ったという事です。そして、彼のレシピはこうです。大きめのロックグラスに氷を入れ、 カンパリとチンザノ・ロッソを入れる。ノイリープラット・エクストラドライを少々多めに注ぎ、発泡水を少なめに入れる。オレンジのスライスとレモンピールを落とせば完成です。美味しいカクテルです。食前酒としても間違いない。フランスのお酒のノイリープラットを注ぐあたりが巴里っ子らしいのかも知れません。帰国した私は自分のバーで、そうした古い処方のカクテル作りに没頭しました。
アナログ人間と言われている私のバーの店内には、ダイヤル式の黒電話やレコードプレイヤーが現役で動いています。自分の中では何一つ変わっていないと思っていたのですが気づくと私の頭髪は真っ白になり、新聞を読むときには老眼鏡をかけます。
バーの扉を開くと、外の世界は著しく変化していました。イヤホンのコードがなくなると、街から商店街が消えていました。
カクテルやバーのスタイルは、時代と共に変化していくのかも知れません。だけど、時代が変わっても変化しないから価値を増していく真実みたいなものがあるのかも知れません。
特にカウンターをメインにしたバーの営業は、何よりも空間が大切です。バーの空間というのは、バーに通われる御客様の人生の節目に出逢い、築かれていきます。創業以来、数十年という、何物にも代えがたい空間が、最大の財産なのです。創業当時に来店された若い御客様が年齢を重ねて、成人した御子様を連れて来られる事もバーの最大の魅力なのです。年代を重ねるごとに、バーの付加価値は、高くなるのです。その価値は、数字で権利変換できる価格ではありません。内装の減価償却が済んでいるとかいう意味のないソロバン勘定ではバーの価値を判断できません。外国人の旅行客を含め当店を訪れた御客様は『26年間、この場所でバーを営業している』と聞くと感嘆の声をあげ、尊敬の眼差しで感激します。
1950年代のフランスの首相が『酒を飲むよりミルクを飲め』と言ったのを皮肉って
デュカスタン社が作った大人のミルクという意味のファーザーズボトルです。
VSOPクラスのアルマニャックですが、30年以上前の商品です。オールドボトル独特の香りに良さが光る飲み特商品です。先着数名一杯1400円販売
Bar.の開店当初の頃に現行物のファーザーズボトルを販売していました。キャュップを外すタイプの物です。当時のボトルの写真の記載されたアドレス
今回のオールドボトルは哺乳瓶そのもののように先端から注ぐタイプです。今回のBarの特売品の記載されたアドレス
[mixi] Bar.の亭主 | デュカスタンファーザーズボトル
Shinji Kimoto(@bar._roppongi5_9_14) • Instagram写真と動画
チャージ・サービス料無し。
Bar.東京都港区六本木5の9の14第七ビレッジビル一階奥
18:30~翌2:30日祝休み☎03-3423-7577亭主・木本伸二
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/index.html
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