猫以下の男 / 男性介護者による認知症親父の日記 -3ページ目

慌しい日々の始まり(序章)

2月10日朝


親父は昨日からあまり食欲もなく寝たまま起きない。

右向きの状態のまま動かない。

熱はない。

水分補給だけなんとかとらせ、昨日の日記の通り色々と動き回る事にした。


近所の介護サービスの施設に電話して相談に乗ってもらう。

介護保険の手続きの書類とか方法を指導を仰ぐ。


帰り際、すぐに医師の往診を勧められる。

自分の住所地なら、どこそこの病院が良いとか、すごく親切に教えてもらった。


とりあえず一度帰宅し、親父の状態を確認する。

相変わらず右向きで同じ状態で寝ている。

話しかけてもあまり反応がなく、目をあけてもすぐ閉じて眠る。

やっぱり、いつもの状態ではない。


自分の判断では限界がある、本人は寝てたら大丈夫とか言ってたが、普段の親父ではない。


このまま考えてても仕方がないので、近所の往診が可能な医院へ行くことにする。

病院の受付で往診をしてほしい旨を告げると、とりあえず先生が話を聞きたいのでお待ちくださいと言われる。


親父が気になるが、仕方がない、待つことにする。


全ての患者の診察が終わり、一番最後に呼ばれる。


医師に、現在の親父の状態、動けないので往診して診てほしいと言うと、自分で的確な判断が出来ないので、往診できないと言われる。


何?この医者?本当に医者なの?

だんだん腹が立ってくる。


最後に医師が、「動けないなら救急車呼ばれたらどうですか?」


そんな事わかってるわい!

素人が判断できないから、助けを求めにきてるのに、そういうこっちゃ。

判断できなくても、とりあえず診るだけ診てくれればいいのに・・・


親父が心配なので、帰る旨を告げ、医院を飛び出す。


家に帰ると、やはり寝たままの親父。

話しかけると、トイレに行きたいと言う親父。

起こそうとしても、体がカチカチで起きれない。

力任せで起こすも、寝た形のままで安定されないので、ころんとひっくりかえりそうになる。

オムツしてるから、その中にしたらいいからと言い、又寝かす。


水がほしいと言うので、ぬるめのお茶にストローを差し、寝たままの親父の口元に当てる。


おいしいおいしいと言いながら少しだけ飲む。


その状態を診て、こりゃあかん!と心の中が何かがはじけた。


すぐ玄関を片付け、人が通りやすいようにする。

ジャックのご飯と水を補給し、荷物を色々用意。


友達に電話して、親父の状態を話し「今から救急車呼ぼうと思ってるんだけど、どうやろ?」と意見を仰ぐと、すぐ呼んだほうがよいと言われる。


一応妹にも電話する。

今から救急車呼ぶからと言うと、運ばれると病院がどこか分かり次第教えてと。


よし!呼ぶぞ!


電話を取り119を押す。


ドキドキする。


繋がると、どうされましたか!と相手の声

住所と名前を告げ、すぐきてほしいと告げる。

携帯電話で初めて119を掛けたのだが、なんか文字が出てる。

位置情報確認とかなんとか・・・・

こんな時やのに、へ~~ はじめてみた、と頭の中でなんか色々な事が浮かぶ。

携帯電話、すげ~~。


もう救急車向かってますので、あなたは外へ出て、救急車を家の前まで誘導してくださいと相手の声。


分かりましたと、電話を切る。

親父に、救急車呼んだからな!と言うと、救急車いややわと。

もう呼んだから無理!


5分も立たずに、サイレンの音


きたきたきた~~~


外へ飛び出す。


こっちです~~と手を振る。


救急隊員の一人に 親父は高齢で認知症で動けなくて普段と様子が違うとか色々話す。

家の中へドカドカと5人くらいの隊員が入ってくる。


親父に大きな声で、どうされましたか~~、どこか痛いですか~~、動けないですか~~、気分悪いですか~~


色々話しかけてる。


親父は、寝てたら治りますとか言ってる・・・・


本人は自分がどんな感じなのか分かってないと思うと退院に告げる


とりあえず担架に乗せますから、寝てる向きをかえられないですか?と言われるも、固まってるから無理だと思いますと言うと、へ?って顔される。


ご主人~~~ 体の向き変えれないですか~~と親父に話しかけてるが、親父は、これでええねんと・・・・


隊員同志が、とりあえずこのまま乗せましょうと話してる。


せ~~の~~

親父が持ち上げられる。


右向きで右手に頭を乗せた状態で、足がくの字にまがったままの固まった状態で親父が上にあがる。

ゆっくり担架に乗せられる。


隊員の一人が、すいません、このまま玄関から出ますので、ここから靴を履かせてもらっていいでしょうか?と言ってくる。


あとで拭きますので大丈夫でと告げると、隊員2人がすごく大きな黒いブーツみたいな靴を履き家の中へドカドカと入ってくる。


雨が降ってるので、お父さんの頭に傘をお願いしますと言われる。


家の戸締りをして一緒に救急車に乗り込む。


中に乗り込むと、掛かりつけの病院とか、病院の希望を聞かれ、電話を掛けている。


色々病院と話してるが患者は認知症だと言うと、どうも断られているようだ。


隊員から、お父さんは攻撃的かと聞かれるが、ほとんどおとなしいと言うと、それを病院にも伝えてる。


何件も色々理由を言われて断られているようだ。


やはり、認知症は受け入れてくれないのかと、不安になってくる。


救急車に乗り込んでから、すでに20分くらい時間がたってる。


「少し遠い病院でもいいですか?」と聞かれたので、どこかと聞くと、三菱神戸病院ですと言われたので、大丈夫ですと言うと、やっと動き始めた。


「では出発します。」


その声と同時にサイレンが鳴り始めた。


とりあえず受け入れてくれるようなので、ホッとする。


車中では、妹から、病院わかったらすぐ教えてとメールが入ってたので、三菱だと返信すると、すぐ、行くと返信メールがあった。


どこをどう走ってるのか、カーテンをしてるので外の様子はわからないが、阪神高速を走ってるのは分かった。


走ること15分、病院へ到着。


やっぱり早い!さすが救急車!


病院ではすでに受け入れ待機されていたようで、待っていてくれた。


すぐ担架のまま中へ運び込まれる。


あとに着いていくと処置室という中へ運ばれる。


僕は待合室で待っているように言われたので、指示に従う。


何をされてるのか、親父の、痛い痛いと言う声が聞こえる。


さて、これからどうなる事やら・・・・