今回は中標津の製麦施設である【​中標津クラフトモルティングジャパン】を見学して来ました。

こちらは中標津で大麦の栽培から製麦(麦芽の製造)までを行っている施設(会社)です。

札幌のBAR一慶様のオーナーである本間一慶様にお願いして、フロアモルティングの様子を見学させていただきました。

 

お話を伺うと、中標津は気候や土壌が大麦(りょうふう品種)の栽培に適している様で非常に品質が良い大麦が収穫できるとの事でしたが、その背景には日々試行錯誤しながら改良を重ねておられる栽培技術も少なからず影響していると思われます。

こちらのモルティング施設からは、先日モルトウイスキーの蒸溜を始めた馬追蒸溜所や、地元産原料にこだわっている厚岸蒸溜所のみならず、多くのクラフトビール醸造所にもモルト(大麦麦芽)を供給しているとの事です。

 

現代では大手の製麦施設(モルトスター)では麦芽を安定的に大量生産するためドラム式等の自動化が一般的ですが、こちらの施設はスコットランドで古来より行われてきた人力の「フロアモルティング」による製麦を行っています。

 

※モルトや製麦に関しては中標津クラフトモルティングジャパン様のHPにて解説されていますので、そちらをご参照下さい → リンク

 

こちらの写真は2床のフロアモルティングスペースと浸麦槽(スティープ)です。

 

こちらがフロアに敷き詰められた大麦です。

大麦が活性化している時は一日三回、すき返しを行うとの事で、内層温度をモニターして適切な温度になるよう積み上げる厚さを調節する様です。

 

乾燥はこちらの乾燥機を使用し、現在はノンピート麦芽のみ製造されています。

熱源はスチームで、乾燥工程のタイミングによって適した温度があるため乾燥風の温度を調節しなければ良質な麦芽が得られない様です。

機械加工品と違い大麦という農産物を加工(製麦)するため、毎回が大麦の様子を見ながらの対応となる事から決まったマニュアルが作れないとおっしゃっていました。

(スコットランドの蒸留所では長い間の経験を基に職人が管理しているのでしょうね)

 

今回は製麦に関するお話の他、中標津クラフトモルティングジャパン様の将来についても色々なお話を伺う事が出来ました。(ブログには書けませんが・・・)

クラフト蒸溜所と同じ様に原材料供給者であるクラフト製麦事業者も様々な構想がめじろ押しで、これからの道内ウイスキー業界が更に楽しみになりました。

 

Whisky Bar 髙森
住所:北海道釧路市末広町三丁目8-1 末広クリスタルビル6階

電話:0154-65-9958

ホームページURL: https://bar-takamori.amebaownd.com/
営業時間:18:00~2:00(ラストオーダー 1:30)
定休日:日曜日・年末年始