先日、KILCHOMAN(キルホーマン)蒸留所のオンラインセミナーを受講してみました。

セミナー受講に当たり、蒸留の際に得られる時系列毎の留液(スピリッツ)を蒸留所のショップで販売していたのでスコットランドから取り寄せ、テイスティングしながら受講しました。

 

英語力が皆無の私なのでセミナーの内容はほとんど聞き取れませんでしたが、キルホーマンのウイスキー造りの現状を細かく説明されていました。

特に発酵工程での酵母の使い方と、蒸留時に得られるスピリッツの時系列毎のフレーバーの変化などは時間を割かれていた印象です。

酵母に関しては様々なテストを行っており、現在はドライイーストを使用している様です。

目玉の蒸留に関しては、蒸留中に得られるスピリッツを蒸留開始後5分・25分・45分・90分時点の4種類に分けてテイスティングしました。

5分の物はアルコール度数が74%と非常に高く、フローラルでクリーンでしたがこれより前の留液を取り込むと癖が強くなりそうなイメージでした。

その後だんだんとフローラルさが薄くなり、スイーティでクリーミーな性格に変わってきて、45分の時点では若干ヘビーな雰囲気も出てきました。

ただ、90分になるとアルコール度数も65.5%まで低下し、オイリーさも出てきてこの辺りが限界のようです。

 

今回感じたのは、キルホーマンの留液抽出ポイント(ミドルカット幅)がクリーンで癖の少ない所を狙っている印象でした。

とある蒸溜所の製造責任者の方に話を伺うと、長熟向けの原酒にする場合はもう少し初めの部分を多く取り込み原酒に風味の多様さや重さを持たせるとの事で(不快成分は熟成中に無くなるらしいです)、その辺は蒸留所の考え方によりカットの幅を調節しているようです。

(と言う割にはその蒸溜所がリリースした3年熟成物は既にクリーンで雑味や不快成分が無く、短熟でもかなり美味しかったです・・・)

 

また、セミナー中に冗談交じりに「この4種類を混ぜるとキルホーマンのニューメイクになりますよ」と言っていたので、最後に試してみると華やかさがあり雑味が無く出来の良いスピリッツになっていました。

正直、同時にテイスティングした蒸留所稼働開始2年目に出たスピリッツ(2年間熟成)よりも今回のニューメイクの方が美味しかったです。

キルホーマンの進化を感じ、改めて今後のキルホーマンを注視していきたいと思います。

 

※当店では現在、以下のボトルがございます

・2年熟成 スピリッツ

・INAUGURAL RELEASE(3年熟成 ファーストリリース)

・MACHIR BAY(定番商品/主にバーボン樽熟成)

・LOCH GORM(年一回限定リリース/シェリー樽熟成)

・2007VINTAGE(2013年ボトリング)

 

Whisky Bar 髙森
住所:北海道釧路市末広町三丁目8-1 末広クリスタルビル6階

電話:0154-65-9958

ホームページURL: https://bar-takamori.amebaownd.com/
営業時間:19:00~2:00(ラストオーダー 1:30)
定休日:日曜日・年末年始