本村さんを。
「極刑を求めます」
とがんばってきた本村さん。
時には、被告へ優しい気持ちを持ち
感情をむき出しにせず
客観的に事件を見る努力をしてきて
色々なことと闘ってきた
男
奥様のお母様に
「時間がかかって申し訳ありません」
と謝るなんて本当に人間ができている。
本村さんを見てるから、奥様もさぞかしすてきな人だったんだろうと思う。
彼の、固い表情が崩れることはなく、
「上告しましたよ」の知らせに
苦笑いとも脱力ともとれる顔に
少しだけ素の彼の表情が見え
いくら死刑が確定しようとも
いくら死刑が執行されようとも
彼は色々なことから解放されるわけではなく
そして、彼もそのことは理解していて
そして、周りも、「彼が理解してること」を理解できてしまうことへの苦しみ