天津の地下鉄は、こんな感じで
二重扉になっていて凄く安全設計です。



かつてこの国は列に並ぶというマナーが崩壊していて
皆が前に前に出てくる。
降りる人と乗る人がせめぎ合う、そんな状況でした。

バスに乗れば中でタバコを吸ってる人がいて
地下鉄の中でも音楽をフルボリュームに流していたり、
スマホで映画を見ていたり、
大声で電話していたり。
マナーモードにするという習慣がないので
音に関しては
なんでもあり状態でした。

しかし現在はかなりマナーは改善されてます。
人々はちゃんと整列し降りる人をある程度下ろしてから乗るように変わりました。
音楽や映画に関しても若者中心にみなイヤホンで聴くように変わり、
そうですね、これは2018年のたった一年だけで随分と改善されたと言えましょう。



中国の教育の中で「弱者を助ける」
というものがあります。
例えばおじいちゃんおばあちゃんが
乗ってきたら若者はすぐに立ち上がって
席を譲ります。
これは100パーセント!!

本当に大変美しい姿です。

日本の若者はあえて寝たふりして席を譲らなかったり
友達同士話に夢中になってるふりをして気がつかないふりなんかしますね。
そして席を変わる場合でさえも
何も言わずにいきなりすくっと立って
あさっての方向に歩いて行って、
まったく別のところに立っていたり。
なぜ日本の若者はコミニケーションというのができないのでしょうか?

中国の場合はそうですねえ。
真逆です!
ほとんどが飴ちゃん持ってるナニワのおばちゃん感覚ですね。

先日もおばあちゃん二人が乗ってきて、
私の隣が一つ空いてたので片方のおばあちゃんが座って
これは中国人としては変わらなければいけないと
「どうぞ座ってください」と立ち上がり
もう一人のおばあちゃんをわたしのところに座らせようとしました。

まさにナニワのオカンですから
「いいのよいいのよ、あんた悪いわよ」
と断りながらも
「どうぞどうぞ」と言うと
「あらまあ、悪いわねえ。じゃあ遠慮なく」
と座ります。
そこの吉本新喜劇のようなミニコント風のやり取りは必須です(^^)

「いいんですよ」
と言って私は少し離れた別のところに立ったんですがそこから先が中国です。

そのおばあちゃん達の隣が一つ席が空いたらしく
うち、一人のおばあちゃんが
「ちょっとあんた!空いたわよ!座って座って」
と別のところに立ってる私のところまでわざわざ歩いてきて
私を座らせようとしました。

「いやいいですいいです。」
と断ったんだけど
そのおばあちゃんは私の上着をつかんでぎゅーぎゅー引っ張って
「だって悪いわよ!あんた座んないとあたし達の気が治まんないわよ!」
と、さらに私の服を引っ張ります。

「ありがとう。でも次の駅で降りるから大丈夫大丈夫」
と言うと
「そう?ごめんねえなんだか。
ありがとうね」と
やっとおばあちゃん達は治まりました。

私の中国人、特に天津のような田舎のノリで大好きなのが
この人間関係の近さです。
このノリに慣れるまでは日本人としては
かなり面倒くさいかもしれないですが
慣れてしまえば
本当みんなフレンドリーでいいなあとなるわけですね。

だからこちらもフレンドリーの輪の中に積極的に入っちゃう努力をしていけば
なかなか面白いんですよ?



それに対してダメなのが小学校高学年ぐらいの子ども達。
一人っ子政策で生まれた時からずっと甘やかされまくりで育ってるんで
ドアが開くと真っ先にダッシュして
席に座ろうとする。
座れなかったら舌打ちして睨みつけたりします。
当然ちっちゃい時から地下鉄にはみんなに席を代わってもらえて
ちやほやされて、
地下鉄で座れるのが当たり前で育ってますから
私と変わらない背丈の子どもでも
なんで座らせないんだよ!と言う目でこっちを見てくるわけです。

子供というのは一日中走り回って遊べるぐらい
体力の塊なわけですから
少し私のようなおっさんにも席を譲ってほしいものですよ。

なかなか興味深いですね。
民俗学的にもね。
奥が深くて興味が絶えません。
いろんな顔がある。
それが中国の醍醐味かもしれません。