フィリピンには多様な島嶼文化が営まれてきましたが、その中でもビサヤ地方の「フォーク・カトリシズム」の文化人類学的なフィールドワークが、成城大学の川田牧人教授によって行なわれて、その成果が、『祈りと祀りの日常知ーフィリピン・ビサヤ地方バンタヤン島民族誌ー』(九州大学出版会2003年)としてまとめられています。

この調査研究のテーマは、バンタヤン島におけるカトリック聖人崇拝と精霊に対する呪術的実践についてですが、このテーマについては、バンタヤン島に限らずに、祈りと祀りの日常というのは、フィリピン社会に広く見られるものです。

それにもかかわらず、この研究者は、なぜ、ビサヤ地方を取り上げ、その中でもなぜ、バンタヤン島を取り上げたのかは大変興味深いところです。そして、このバンタヤン島で詳細なフィールドワークを行なって、ビサヤ民族社会の日常世界を捉えています。

その成果の程は、読者の方がそれぞれ書籍で確かめて頂きたいと思いますが、バンタヤン島に本拠地を置くJトピアとしては、このバンタヤン島がフィリピンの伝統文化を色濃く残す博物館的な島だと日頃から感じて来ただけに大変納得させられました。

これからも我々Jトピアは、自信を持って、「フィリピン伝統文化の宝庫」のバンタヤン島として広報して行きたいと思います。