毎日新聞「仲畑流万能川柳」、2020年2月の全入選句(504句)の中からぜひご紹介したい13句を6つのテーマに分けてみました。

                 

① くすっと笑える句

 

「正直と短所の欄に書いてあり」

(16日 福岡 小把瑠都さん)

 

② あるあると思う句

 

「捨ててある家具うちのより新しい」

(16日 神奈川 荒川淳さん)

 

「順調に老け顔になる免許証」

(11日   野田 夢の市さん)

 

古い免許証、とってあります。確かにそのとおりです。 

 

「命日を欄外に書く住所録」

(2日 越谷 小藤正明さん)

 

住所録に書いてある人は近ごろ増えるどころか徐々に減っていき・・・。

 

③ よくぞ言ってくれたと思う句 <政治編>

 

「その答弁子ども議会でやってごらん」

(27日 山形 中性子星さん)

 

「菅さんは矛盾知りつつ釈明す」 

(1日 北九州 ささきともさん)

 

「アメリカの大統領は殺人可」

(13日   相模原 水野タケシさん)

 

④ よくぞ言ってくれたと思う句 <テレビ編>

 

「ドラマ化で美人にされた主人公」

(27日   福岡 小把瑠都さん)

 

「エキストラ無理だと思う阿部寛」 

(12日   倉敷 中路修平 さん)

 

⑤ 深く考えさせられる句

 

「育休の夫の世話が増えた妻」

(26日   津 ちょちょさん)

 

そもそも、育休を取れるような職場環境の人が限られている中で・・・。

 

「私にも責任はあるコアラの死」 

(14日 下野 いかりんごさん)

 

想像力が素晴らしいと思います。

丸い一つの地球上で、たくさんの命が見えない糸でつながっていると改めて思いました。

 

「異常なの気象じゃなくてした我ら」

(19日   生駒 鹿せんべさん)

 

"私"とか"我ら"とか、他人事じゃない感覚が鋭いと思います。

 

⑥ 最後に、前向きな一句

 

「「あー楽しかった」と死ねるよう生きる」

(19日愛知 舞蹴釈尊さん)

 

心に響きました。

 

2月もたくさんの句を楽しませていただきました。

おまけの写真です。

 

よく通る商店街の寄植えです。

日射しが春めいてきたある日、朝の光を浴びて一層華やかでした。


最後まで読んでくださってありがとうございました。