本日3回目の投稿ではマンガを紹介。

うつ病に関するマンガです。

あらすじ等を聞きたくない方は読むのをやめておいてください。

☆☆☆

2019年1月6日 日曜日

「さよなら、うつ。」
作:一色伸幸 画:橘山聡
というマンガを読んだ。
一色伸幸さんは有名な脚本家だった。

「宇宙船サジタリウス」というアニメは子供の頃観ていた。

観てはいないけれど、
「私をスキーに連れてって」
「七人のおたく」
「病院へ行こう」
「僕らはみんな生きている」
などは私も知っている。


そんな有名な脚本家の一色さんが、
うつ病になるまでと、
うつ病になってからと、
うつ病を乗り越えた話がこのマンガで描かれている。


一色さんはうつ病を乗り越えた後、
「彼女が死んじゃった。」
という映画を作ったらしい。

一色さんはこの作品を
「見る抗うつ剤」という気持ちで作ったそうだ。



 「自殺はいけない」といったありがちはセリフは書かなかった

  薄っぺらな言葉で思い止まれるなら病気ではない

  すべてを甘んじて受け入れること

  どんなに辛くても

  そして いつか取り戻せる実感を待ち続けること

  全9話からそういったことを感じてもらえれば十分だ

  いつかなにもかもが嫌になるときがくるかもしれない

  そんなときは半日だけ時間を割いてこのドラマを見てほしい


そんな風に紹介されていた。


一色さんはうつ病から解放されてから、
ダイビングを始めたらしい。

そして、本の最後でダイビングの「安全停止」について書かれていた。


ダイビング中に使うタンクの中身は酸素21%、窒素79%の気体。

窒素は深く海に潜るほど体内に溶け込みやすい。

長時間潜れば潜るほど窒素は体に蓄積されてしまう。

そのまま浮上すると溶けていた窒素が気泡になり、
血栓のように血管を閉塞してしまう。

だから、浮上する前に水深5mのところで3分くらい待って、
気泡を消す必要がある。


上がりもせず、下がりもせず、
ただじっと待つ。

ただじっと日常に戻れる身体になるのを待つ。


うつ病もきっとそうなのだろう。

上がりもせず、下がりもせず、
ただじっと日常に戻れる身体になるのを待つ…


ダイビングと同じで、
うつ病患者にもその時間がとても大事なのだと思う。


焦って浮上すると大変なことになってしまう。

治り切っていないことを焦ってはいけないのだろう。


うつ病は自分のせいではない。

他の病気と同じで、
いつ誰がかかるかわからないもの。

だから自分を責める必要はない。


病気と向き合い、
ただじっと日常に戻れる身体になるのを待つ…

気持ちは焦るかもしれないけれど、
その時間がとても大事なのだと思う。


良い本だった。

おすすめです。