(前回のメンテの続きです)
ヤマト号がこんな姿に。。。
BBを外したついでに、昨日、30年も経って痛んできていたフレームの表面塗装を補修しました。
翌日が雨の予報だったので、湿度が高いと上手く濡れなくなるので大急ぎで塗りました。
まず、リアのカンチブレーキの取り外しに難儀しました。
固定ボルトを外しても外れない。
潤滑剤をスプレーすると外れましたが、グリスが流れて切れて回転方向にカンチ台座とブレーキ台座が削れて引っ掛かっていました。
やはり、たまに取り外して初めて分かる不具合もあります。
表面塗装のクリアー層は経年劣化でデカールが浮いてきて破れてきていたり、全般的に経たってきていました。
下地やダークブルーのメタリック塗装は生きているので総塗り替えはせずに、傷が付いているところだけ似た色のタッチペンで補修し、その後、クリアー塗料をスプレーしました。
まあ、大きなプラモみたいなものです。
そうそう、バイクを立てた状態だと、トップチューブとダウンチューブはわりと上手く濡れましたが、シートチューブは塗料が垂れてきて失敗、やり直しました。
フレームを塗装する際は寝かせて塗装しないとダメですね。
クリアー塗装を垂れる寸前で厚塗りするのは本当に難しいです。
この後、微細なコンパウンドをかけて表面仕上げしました。
シロウト作業なので、プロのように上手くはいきませんが、これでまた当分もつと思います。
次回、塗り直す際は塗装を剥がして下地塗装から塗り替えることになりそうですが、ベタ塗りカラーの単色塗装をプロにやってもらうつもりです。
なお、今回はまだチェーン交換時期ではなかったので、横着してリアディレーラーは取り外しませんでした。
フロントフォークも、以前に取り外して塗装した(日光が当たって塗装の痛みが酷かった)ので取り外しませんでした。
日光が当たる部分ほど紫外線で塗装が劣化して来るので、今回は上面や側面を中心にクリアー塗装しました。
それから、フロントのカンチブレーキも取り外して、分解清掃してやりました。
上:シマノ ALTUS カンチブレーキ BR-CT91 シルバー 前後セット
下:アリゲーター ブレーキシュー VB-703
フロントのカンチ台座グリスは流れず効いていて、難無く外れました。
フロントは縦にブレーキが付いているのでグリスが流れにくく、リアはブレーキが寝ているので、グリスが流れやすいのだと思います。
一応、削れたリアのカンチ台座とブレーキの取り付け穴内側をコンパウンドで研磨してみました。
ブレーキシューはデフォルトから効きの良いアリゲーター製に取り替えてますが、ブレーキシューがフロントは溝が無くなってツルツル、リアもかなりすり減っていてもう交換時期でした。
今日は寒いので、こんなご時世に風邪を惹いたら洒落にならないのでまた来週(続く...)。
(余談) カンチブレーキは本当に効きが悪くて危ないのか?!
カンチブレーキは効きが悪いから危ないという話をよく聞きますが、私的には、30年使って来ましたが一度も危ないと思ったことはありません。
むしろ、危ないと思ったのは、
①川沿いの堤防道で軽トラの後ろを走っていたら急制動されて、急ブレーキを掛けたら前輪がロックして後輪が浮いた。
②近所の坂道を下っていたら、左側方からクルマが出て来て急ブレーキしたら前輪がロックして後輪が浮いた。
の2回だけで、何れもカンチブレーキが効きすぎて、後輪が浮いて前転しそうになって冷やっとしたことです。
昔、Vブレーキが出始めてマウンテンバイクがカンチブレーキからVブレーキに変わった際、レースに出るような選手でもVブレーキの効きが良すぎて前転したという話もよく聞きますし、私の場合もVブレーキに交換してたら前転してたかも知れません。
一方、レースの指導員をやっていて、自らもレースに出ていた従兄弟に聞いたら、「カンチブレーキなんて飛んで行ってしまいますよ」とのことで、要するにカーブで曲がりきれずに崖から落ちるということです。
従兄弟は)MTB(クロカン)、ロードの他、シクロクロスをやっているので、カンチブレーキのシクロクロスバイクでロードバイクの様に峠道を走った場合の話をしたのだろうと思います。
ところで、私が30年もカンチブレーキを使って危ないと思わなかったことには、いくつか理由があります。
まず、私はシティー車以外は雨の日には乗りません(雨の中を走ると後のメンテが煩わしいので)。
次に、ヤマト号では下り坂ではあまり飛ばさないようにしていて、平地でも飛ばしません。
更に、アームの剛性が高いシマノ製のカンチブレーキを使っています。また、効きの良いブレーキシューに取り替えています。
他にもいくつかポイントがあって、一つはカンチブレーキが良く効くバイクと効きが悪いバイクがあるということです。
例えば、ヤマト号のフロントフォークは極太の鉄棒みたいでとても頑丈です。
フロントフォークが丈夫だとカンチブレーキの効きが良いのです。
これが、実売2万円ぐらいの格安クロスバイクなんかだと、フロントフォークがふにゃふにゃなので効きがとても悪いです(Vブレーキでも効きが悪い)。
ですから、カンチブレーキが効きやすいバイクかどうかというのもポイントになります。
ブレーキレバーもドロップハンドルのブレーキレバーよりもフラットバーハンドルのブレーキレバーの方が力が入りやすいですし、カンチブレーキの場合、ブレーキレバー自体の剛性も効きに影響します。
もう一つは、峠道を飛ばすような走りをするのか、ポタリングでのんびり走るのかということです。
私がカンチブレーキで最も危ないと思うのは、カンチブレーキのシクロクロスバイクでロードバイクのように峠の坂道を走ることです。
シクロクロスバイクはスピードが出るので、カンチブレーキで下りの坂スピードを出しすぎていたらカーブで曲がりきれなかったり、また、何かが急に飛び出して来たら止まれなかったりするんじゃないかと思います。
で、結論的にどうかと申しますと、ポタリングでのんびり走るぐらいならカンチブレーキでも構わないと私は思います(前述のカンチブレーキの効きの悪い自転車を除く)。
但し、自転車通勤・通学で雨の日も乗らないといけないとか、また、道中に坂道があって毎日走るのなら、Vブレーキやディスクブレーキの方がいいんじゃないかと思います。
これは、カンチブレーキは雨の日の下り坂では特に効きが悪くなるからです。
後は、各自自己責任でご判断下さい。
シマノ ALTUS カンチブレーキ BR-CT91に交換したばかりの頃に撮影した画像(ブレーキシューはアリゲーター VB-703)
(追記)
5万円前後の売れ筋のクロスバイクはたいていVブレーキなので、敢えてカンチブレーキにするメリットはないです。
レトロなバイクをレストアする場合の話で、元々カンチブレーキのバイク場合、Vブレーキに替えるとブレーキケーブルの引き回しがイマイチしっくり来ないこともあって、デフォルトのブレーキに最も近いシマノ ALTUSカンチブレーキ(BR-CT91)にしました。
ブレーキレバーの引きしろもVブレーキとカンチブレーキ/キャリパーブレーキでは異なります。
更に、シマノの新SLRという規格のブレーキは対応したブレーキレバーを使わないと旧製品や他社製品とブレーキの引きしろが異なります。
ヤマト号のシマノ ALTUS カンチブレーキ(BR-CT91)は旧規格と思われるので敢えてTEKTROのブレーキレバーを使っています。