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あるアニメでは「生殺与奪」を「せいさいよだつ」と言っていた。
ところが、現代では「せいさつよだつ」という。でも相殺を「そうさい」と言ったりもする。
用いられ方にクセがあるのか、ということで藤堂先生の辞書で調べてみる。
わかったことは、まず「殺」の成り立ちだ。
「殺」の漢字の左の「メ」は「刈る」ということらしい。
んで下の「木」は、実は「禾」っぽいもので、ヒエやアワなどの穀物を表すようだ。
つまり、「殺」の左側は ”稲をそぐこと” くらいの意味らしい。
んで、左の 「殳」 は 「この漢字は動詞だよ」 という意味でつける記号の一種だと言うことだ。
ということは、「殺」は本来、 ”穀物をそぐ” という意味の動詞であって、何も物騒な意味ではない。
どうやら、穀物をそぐ→そのために刃物を研ぐ→生ある何かを死なせる、という転じがあったっぽい。
そこで、『殺』は「そぐ」と「ころす」の二つの意味に場合分けして考えないといけない。
むずかしいのだが、「ころす」という意味で使うときの「殺」の漢音は「サツ」で、「そぐ」という意味で使う「殺」の漢音は「サイ」というように、同じ漢字でも、まったく別物の漢音が用意されているのである。
読み方が中国から伝わる過程で何かあったのか……?
呉音と漢音が違うというのは容易に納得できるが、同じ漢字で異なる漢音があるというのは、実に不思議だ。
中国人が、意味によって音を使い分けていたということだろうか?
まぁというわけで、「殺」は「ころす」の意味で使うなら「サツ」、「そぐ」や「へらす」の意味で使うなら「サイ」と、しっかり使い分けるのが ”正しい(?)” 使い方である。
だからこそ、「互いに打ち減らす」という意味の「相殺」は「そうサイ」なのであって、「生かすこと殺すこと」という意味の「生殺」は「せいサツ」なのだと納得できる。
もっとも、「殺」は現代ではもっぱら「ころす」という意味で使うことが多く、「殺」=「サツ」と読むのが慣例と化している。
それゆえ、「そぐ」「へらす」での「殺」の読み「サイ」も、このまま「サツ」に統合されていく傾向がある。
これは国語学的によくある類の言葉の滅び方であるといってよい。
うちの教授でさえ、「相殺」を「そうさつ」と読んでいたので、もうだめかもわからんね。
結論としては、アニメで「生殺与奪」を「せいさいよだつ」といったのは、深読みしすぎの間違いじゃないかと思う次第。相殺を「そうさつ」と読む傾向は国語学的に自然だからまだ許せるが、生殺を「せいさい」と読むのは完全な誤りなのである。
どうでもいいことだけど、「殳」 は 「この漢字は動詞だよ」という意味でつけるって上に書いたわけです。
でも「殻」って漢字は右側に 「殳」 ってついてるけど動詞じゃなくね?とか思ってしまった。
んで例によって調べてみると、、、、
殻
原義: かたいからを こつこつ叩く という意味の動詞
マジで動詞だった (´Д` )
ところが、現代では「せいさつよだつ」という。でも相殺を「そうさい」と言ったりもする。
用いられ方にクセがあるのか、ということで藤堂先生の辞書で調べてみる。
わかったことは、まず「殺」の成り立ちだ。
「殺」の漢字の左の「メ」は「刈る」ということらしい。
んで下の「木」は、実は「禾」っぽいもので、ヒエやアワなどの穀物を表すようだ。
つまり、「殺」の左側は ”稲をそぐこと” くらいの意味らしい。
んで、左の 「殳」 は 「この漢字は動詞だよ」 という意味でつける記号の一種だと言うことだ。
ということは、「殺」は本来、 ”穀物をそぐ” という意味の動詞であって、何も物騒な意味ではない。
どうやら、穀物をそぐ→そのために刃物を研ぐ→生ある何かを死なせる、という転じがあったっぽい。
そこで、『殺』は「そぐ」と「ころす」の二つの意味に場合分けして考えないといけない。
むずかしいのだが、「ころす」という意味で使うときの「殺」の漢音は「サツ」で、「そぐ」という意味で使う「殺」の漢音は「サイ」というように、同じ漢字でも、まったく別物の漢音が用意されているのである。
読み方が中国から伝わる過程で何かあったのか……?
呉音と漢音が違うというのは容易に納得できるが、同じ漢字で異なる漢音があるというのは、実に不思議だ。
中国人が、意味によって音を使い分けていたということだろうか?
まぁというわけで、「殺」は「ころす」の意味で使うなら「サツ」、「そぐ」や「へらす」の意味で使うなら「サイ」と、しっかり使い分けるのが ”正しい(?)” 使い方である。
だからこそ、「互いに打ち減らす」という意味の「相殺」は「そうサイ」なのであって、「生かすこと殺すこと」という意味の「生殺」は「せいサツ」なのだと納得できる。
もっとも、「殺」は現代ではもっぱら「ころす」という意味で使うことが多く、「殺」=「サツ」と読むのが慣例と化している。
それゆえ、「そぐ」「へらす」での「殺」の読み「サイ」も、このまま「サツ」に統合されていく傾向がある。
これは国語学的によくある類の言葉の滅び方であるといってよい。
うちの教授でさえ、「相殺」を「そうさつ」と読んでいたので、もうだめかもわからんね。
結論としては、アニメで「生殺与奪」を「せいさいよだつ」といったのは、深読みしすぎの間違いじゃないかと思う次第。相殺を「そうさつ」と読む傾向は国語学的に自然だからまだ許せるが、生殺を「せいさい」と読むのは完全な誤りなのである。
どうでもいいことだけど、「殳」 は 「この漢字は動詞だよ」という意味でつけるって上に書いたわけです。
でも「殻」って漢字は右側に 「殳」 ってついてるけど動詞じゃなくね?とか思ってしまった。
んで例によって調べてみると、、、、
殻
原義: かたいからを こつこつ叩く という意味の動詞
マジで動詞だった (´Д` )