今開催も、初日の前日金曜にロータリーハローを使用した馬場整備を実施。2分を超えるレースが増えるなど、二開催前までとは明らかに馬場が違ってきている。

8月3日の祝居酒屋田五作50周年記念(B2-1)は、追い比べを制したエムタカラ(牡4、金田)が特別戦初勝利。テンに速くないだけに、馬場が軽いと流れに乗り切れないこともしばしばあるが、今回は先行馬を見る形で進められたし、障害をまとめると追っての味が活きた。道中で息の入る流れのほうが良く、まだまだ出世が見込める。
2着コウシュハメジャー(牡4、平田)は、昇級と特別変わりで40キロ増でも積極策。障害一腰から末までしぶとく歩き、いきなり現級に目処が立った。ややジリっぽく切れ味には欠けるが、前で下ろせるだけのデキにある。
5着ダイレクトエース(牡4、小林長)は前半モタつくのはいつものことだが、それにしても今回は第一障害を下りたところでやめようとするなどエンジンがかからなかった。道中でオンになった際には巻き返し可能。

4日のメイン、道産牛乳飲んで健康に特別(A1混合)は、第二障害を番手で下ったジェイホースワン(牡5、坂本)が力強く抜け出し。以前よりだいぶ改善されたとはいえズブさは残るが、前半かなり気合をつけられ、オープンとの混合だった前走より流れに乗れた。次開催は5歳限定準重賞の朱雀賞に編成されるが、今季かなり良くなっているし、ロータリーの入った馬場も合う。追っての味では上位だけに、下りる位置次第では面白いところもあるだろう。
2着ヤマノコーネル(牡5、今井)も今季未勝利とはいえ、相手強化にも対応して好内容が続き、ここも課題の障害を一腰と、確実に良化中。こちらも良い脚を長く使え、朱雀賞でもチャンスはある。
3着キョウエイリュウ(牡7、村上)は障害トップ付けからトップ抜け。末にやや甘くなったものの、極端に緩んだわけでもない。馬場は気持ち軽いほうが良かったかもしれないが、デキの良さ目立ち、今回くらいの相手ならいつでも勝ち負け。
4着アローリキヒメ(牡5、小林長)は速い脚には欠けるが、障害をスムーズにまとめて流れ込み。相手が下がれば勝ち切れるという馬でもないが、格上相手にこれだけ動いていれば上々。
5着トワトラナノココロ(牡7、平田)は、前走が+66キロ、今回も+32キロと、数字的には休養前の馬体に戻った。障害も我慢が利いていたし、さらなる上積み見込めば組み合わせ次第では。
6着ヤマトタイコー(セン7、久田)は今回も一腰と、障害の修正は成ったと見て良い。切れ味に欠くだけに展開と流れが重要となるが、4歳シーズン以降の連対はいずれも4番人気以下。切れる馬が少ない組み合わせ、もしくは前で下ろせて他馬も切れる脚を使えない流れになった際だが、狙い打てるか。

5日は曇り発表とはいえ9R前あたりから霧雨もあり、表面の湿った馬場。
メインのデネブ特別(B1-1)は、障害をまとめたゴールデンペガサス(牡7、大友)が綺麗に抜け出して快勝。これが特別戦初勝利となったように平場向きのイメージが強いが、過去には715で勝った星もあるし、切れも持続力も備える末脚は一級品。極端に前に引っ張られる流れは好まないが、今回のような稍軽も合う。A2へ再昇級となるが、障害だけ。
2着アルジャンノオー(牡6、松井)は単騎先行からの粘り込み。たしかに昇級初戦での特別変わりでは手を出しにくかったが、結果論的に言うならば、昨季のA1から3クラス降級した6歳馬で昇級は形だけ、740で特別勝ちの実績もあった(2歳時には重賞勝ちもある)。そして前開催時にも書いたが、ロータリーが入って道中落ち着き、適度に時計も終いもかかる流れと、中村太陽の積極策。

後節の前の金曜にも、ロータリーハローを使用した馬場整備を実施。前開催は開催初日前だけで、前節と後節の間には行われなかったが、当面は毎週のこととなるのだろうか。
10日の7R(2歳A-1)はスーパーシン(牡2、長部)が逃げ切って4勝目。終い詰め寄られた格好でも、脚色はしっかりしていたし、前走(1分16秒6)とは違う馬場で連勝を決めた点も評価できる。前開催時にも書いたように、障害でアクシデント的に崩れた二走前以外は全勝。
2着キョウエイエース(牡2、村上)は良い切れ味を見せたものの、最後は脚色が一緒に。これでスーパーシンの2着となるのは三度目だが、内容は一戦ごとに良くなっているし、勝負付け云々を論じる時期でもない。こちらも好素質。
6着スターイチバン(牡2、平田)は下りてからが案外だったが、今回に関しては三開催ぶりだった点も考慮しなくてはならないか。成長力や馬場への対応なども含め、次走改めて注目。

メインの山鳩賞(4歳)は注目の好カード。前々で運んだクリスタルゴースト(牡4、長部)がわずかに凌ぎ切った。今季は障害で崩れたレースもあったが、近走は安定しているし、ここも2着だった柏林賞同様の積極策。昨季までは重賞の出走経験すらなかったが、昨季終盤から快進撃を見せる上がり馬で、もう力は本物。次開催8月25日の、3歳との世代交流重賞はまなす賞を予定しているが、昇級で上との重量差は縮まるとはいえ、臆するところはなく。
2着の柏林賞馬タカラキングダム(牡4、村上)は、古馬相手だった前走同様にタメつつだったが、障害を5番手で下ろすと、ひと追いごとに伸びて最後は0秒3差。勝ち馬より30キロ積んでいたことを思えば、むしろ評価が上がる内容で、近走は安定味を増し、デキが良いのはもちろんのこと、ひと皮むけた感さえある。はまなす賞では3歳との重量差がカギとはなるが、大器注目。
3着ジェイライフ(牡4、坂本)は障害スムーズ、そこから追い負けたのは、現状の地力の差と認めざるを得ないが、ここに来ての上昇度は光る。素質馬が軌道に乗り、重賞に挑めるだけの力をつけてきた。
4着以下は離れたが、スーパーチヨコ(牝4、長部)は後方から障害重点。牡馬との力関係、また自身に我慢が利かない面が残るだけに、納得の位置取りではあったが、特に藤野俊一以外の騎手だと、そう強気にいけない。
10着サクラヤマト(牡4、金山)は、ひと息入れた後の前走が20キロの馬体減で、上積み見込めるかと思えた今回もまた-15キロ。渡来心路が無理できないと見て後方から進めたように、デキが伴っていない。良化待ち。

11日は雨の降る時間帯もあったが、グランプリが2分08秒9の決着になったように、特段に軽くことはなかった。
今季デビューの牝馬にとって初めての特別戦となった第49回白菊賞(2歳牝馬)は、第二障害をスムーズに越えたキョウエイカスミ(牝2、村上)が下りからの速い脚で抜け出すと、そのまま押し切り。渋めの馬場で末は各馬苦しそうだったが、その中でもよく我慢して歩いた。
2着サッコ(牝2、鈴木)は、中団から下って長く良い脚。二走前にはゴール前で一旦詰まる場面もあったが、タメれば追って伸びるし、よく歩く。

第3回ばんえいスタートロフィー(選抜)は、後方待機から障害をまとめたゴールドハンター(牡7、金田)が切れ味で突き抜けて快勝。昨年のグランプリ2着馬、ハンデ頭でも下りてしまえば末脚が違った。昨季も上がり始めてからはイメージほど障害で乱れておらず、再度持ち味発揮の場面も見られるだろう。
2着マルホンリョウダイ(牡6、金田)は、障害で一旦止まったものの返事は早く、下りても力強い伸び脚。さすがに勝ち馬が上だったが、近走内容から確実にデキ上向き。少し減っている馬体も、夏を越えれば自然と戻ってくるだろう。引き続き注目。
3着リュウセイペガサス(牡7、久田)は、格上相手でも道中で先手を取る積極策から障害スムーズにトップ抜け、終いもよく歩く上々の内容。少し湿りはほしくても、速くなり過ぎるとテンから後手に回るだけに馬場も合ったが、今季充実。
4着カイセドクター(牡7、坂本)は障害天板で少し危なかったものの我慢して一腰、下りてからも歩いているのだが、なかなか勝ち切れない歯痒さもある。それでもデキは安定しているし、組み合わせ次第ではチャンスが巡ってくるだろう。

12日は断続的に雨が降り、さすがに少し軽くなった。
メインのベガ特別(A2混合)は、障害下りから速い脚を使ったマルモタイショウ(牡6、森)が抜け出して快勝。過去の特別2勝はともに1分30秒台前半の勝ち時計で、軽馬場が大きくプラスに作用する馬。今回はやや手薄な組み合わせでもあったが、まずは馬場が重要になり、乾いた特別だと同じようにはいかないかもしれない。
2着ロングビユウテイ(牝7、西)は終い速い流れで差し届かなかったが、格上との混合になっても近走の好調さを示すスムーズな競馬。馬体を減らしていたが、もともとの馬格あり、次走も減っていなければ特に問題ないだろう。
3着ノエルブラン(牡10、槻舘)の近走は登坂力を活かす自分の形を作れているし、好調期に入った印象。10歳を迎え、さすがにかつての勢いはなく、馬場と展開は選ぶが、どこかでひと押し利く場面が訪れるか。


お盆休みだった方も多いでしょうが、私は職場が休みの時ほど忙しくなるので(いろいろ予定を入れるので笑)遅めの更新となってしまいました(^^;
すぐ始まる次開催は、8月25日(日)に第36回はまなす賞(BG3)が行われます。3歳と4歳のトップ級が干戈を交える世代交流重賞、毎年激戦が繰り広げられますが、今年はハンデ差も重要なポイントとなりそうです。
また、前節の18日(日)には、第13回朱雀賞(準重賞)が行われます。5歳馬にとって最後の世代限定戦、ハイレベルと言われる世代だけに、キングフェスタやクリスタルコルドが不在でも好メンバーが揃いました。
それでは次開催もお楽しみにラブラブ