3歳の一冠目。昨年までより施行が一開催(三節)早まったが、今季行われた世代特別の、とかち皐月賞・とかちダービーの二戦、とりわけ後者の結果と内容が重要な参考となるのは変わらないだろう。ただし今年は、久々の出走となるイレネー記念1・2着馬の取捨も大きなポイント。地力か順調度か、世代戦の実績か古馬相手の内容か。今週も軽馬場だが、極端なハイペースまではなさそうな組み合わせで、切れ味必要。
(別定:オープン=700キロ。A2=680、B1・B2=670、B3・B4=660)

イレネー記念馬ライジンサンは今季初戦。昨季終盤に重賞3勝を含む5連勝と、能力は一枚上だが、まずは気配注目。障害への不安は小さいが、いきなりの重賞でハンデ頭の680と条件は厳しく、古馬相手に揉まれてきた他馬ほど仕上がっているか、末まで息が持つかどうか。今回に限っては、やはり相応の割り引きは必要では。

黒ユリ賞馬スマイルカナは、イレネー記念でも長く脚を使っての2着と、牡馬相手とて引けを取らないが、四開催ぶりでこちらも気配注目。とかち皐月賞では一旦抜け出しての僅差3着、増量の今回は少し構えそうだが、軽馬場歓迎で、かつタメを利かせられる流れも合う。仕上がりと障害次第にはなるが、切れ味活かせれば。

とかちダービー勝ちのミチシオ。障害をすんなり越えると、切れ味で抜け出して終い突き放す良い勝ちっぷりで、素質馬が本物になってきた印象。昇級戦の前走も古馬相手の特別で2着と、仕上げも文句なし。昨季の重賞で案外な面があったように増量カギだが、今季充実してパワーアップ明白、軽馬場も歓迎。初重賞のチャンス。

とかち皐月賞勝ちのフレイムファーストは、とかちダービーでは内容重視で後方に構えたが、下りてから存外歩けず。成長途上で、常に全能力発揮とはいかないが、障害は安定しているし、ヤングCSでは長く脚を使い2着と、素質を秘めているのはたしか。さらなる増量には不安のほうが大きいが、B3にとどめてハンデは有利。

ウルトラコタロウは速い脚に欠け、ここまで3勝にとどまるが、重賞三戦はいずれも3着と力差は小さく、世代随一の障害巧者で増量を最も歓迎は本馬。軽馬場だと切れ負けする可能性が大きいが、少し強気に出ても良い場面ではある。もっと積む先のほうが魅力を増すが、とかちダービーでも2着、登坂力が活きる展開なら。

とかちダービー3着のホクセイハリアーは、前走もB4とはいえ障害トップ抜けから完勝と好仕上げ。障害はすこぶる安定しており増量に不安ないし、徐々に追っての味を増しつつあり、今季の成長十分。それでもある程度は前がほしいが、ハナにこだわらず道中でタメを利かせて後半につなげられている。まだ地力劣るが一発注。

ショータイムは昨季の重賞三戦および今季の特別二戦で、すべて入着。昨季より流れに乗った競馬ができるようになっているが、ここは前半タメての後半勝負か。そう切れるタイプではないが、追って味があり、長く脚を使える。軽馬場で前がすんなりでは間に合わないが、終い縺れる乱戦になった際には上位浮上の余地も。

アヤノダイマオーは阿部が初めて手綱を取った前走、障害をまとめると下りてスパッと切れて今季初勝利。ただ、B3の10組と活気に欠く組み合わせで、いかにも緩い流れだった。本格化手前でも好素質、先々までの注目馬だが、一気の相手強化に加えて増量の今回は、さらに大きな上積みが必要となる。現状では入着級か。

グランドスターダムは回避馬が出ての追加出走。とかち皐月賞でも果敢な先行策からトップ抜けしたように障害巧者で、増量のほうが良さを活かせる。下りてから速い脚を使えず、ここでは伸び負けしそうだが、他馬が障害で手間取った際には、粘り込んでの入着も十分。積極的に行って見せ場を作りたい。