4月のばんえい十勝オッズパーク杯を制したメムロボブサップは早々と回避を表明したが、両大関を筆頭にこの機を活かしたい経験上位組と、古馬重賞での目処を立てたい5歳の争いが興味深い。強力な先行馬が抜けたことによって生じる展開の変化にも注目だが、時計の出る馬場で、荷物もまだ軽め。終い縺れる乱戦までは考えにくく、障害の出来が重要となりそう。ここから、7月の旭川記念、8月のグランプリと、重賞が続く古馬一線級。ばんえい夏の陣、開戦。
(別定:770キロ)

オッズP杯2着のアオノブラックは、まだピーク手前にも映るが、二走前にやや乱れた障害は前走で即修正し、ここへ向け不安のない仕上がり。昨季後半あたりから道中でタメを利かせたい意識が見られ、本質的には速い馬場は好まないが、770なら自在に動けて流れも問わない。地力上位で、障害無難なら歩き勝てる。当レース2勝目へ。

同3着のインビクタは前走で今季初勝利。持ち前の登坂力を示すとともに、終いもしっかり歩く好内容で、一戦ごとに上昇してデキに関しては申し分ない。末脚強化され、決してハナにはこだわらないが、この荷物なら障害に不安がないだけに、アオノより先に下ろす形を作りにいく。前が一枚薄いここは競馬もしやすく、好機到来。

コウテイは年明けから好内容の連続で、完全に本格化成った。軽荷の時期でもテンに置かれず素軽く動けているようにデキ上々、登坂力では現役一番で、昨季の帯広記念3着など積んで良く、770でもまだ軽いくらいだが増量歓迎。軽馬場で切れ味勝負になると分が悪いが、ここは強気に早仕掛けの手もある。初重賞のチャンス十分。

オーシャンウイナーは昨季終盤に地力強化を感じられる内容と結果を示し、一段上の期待も懸かる今季だが、ここまでの四戦は案外。道中で少しタメを利かせたいだけに、重賞とはいえ流れが落ち着かない今回、どこまで位置を取れるか。障害下りから脚は使えるが、末まで続かない課題も残る。噛み合えばそう引けは取らないが。

コマサンエースはこれまで重賞を10戦して、掲示板を外したのは三走前のオッズP杯のみ。特に昨季は積んでの良さを示し、持ち前の登坂力としぶとさを活かせる増量は歓迎。二走前は、やや楽な相手だったとはいえ力で捻じ伏せたようにデキも良い。テンに遅く、馬場カギだが、道中流れに乗れれば今回も上位食い込み可能で。

5歳キングフェスタは、今季初戦で乱れた障害を前二走はまとめ、まだ馬体が戻っていない点は気になるが、徐々に上向き。自身は天馬賞より重い770で、曳き慣れた年長馬に引っ張られる厳しい流れ、今回も詰めては行けず、障害に意識を置きながらとなりそうだが、前も止まらない馬場。切れ光るが、どこまで追い上げられるか。

ヤマカツエースの今季三戦はいずれも好内容で、デキの良さが目立つ。1勝にとどまった昨季も能力の高さは随所で示しており、確実に成長している。障害は巧者で、ここでも一腰が望めるが、末に緩む課題が残るだけに荷物への対応がカギ。一線級相手の重賞ではまだ少し足りないが、軽馬場プラスで手の合う渡来。善戦は可能。

ヘッチャラは障害安定、前走もよく食い下がっての小差。まだ経験を積む段階だがデキ良く、3歳シーズンに790でポプラ賞を制しているように、登坂力と先行力を活かせる増量自体は歓迎。この相手だと、現状では自ら流れを作れずに窮屈な形とならざるを得ないし、下りてジリっぽく軽馬場だと切れ負けするが、目処を立てたい。

クリスタルコルドは今季の使い出しで減らしていた馬体を戻し、内容も良化中。時計は持っていても前を追いかけるのは好まず、まだ正攻法とはいくまいが、前二走は障害のカカリも良く、末までよく歩いている。ここは少し速いが、先への期待が大きい本格派、増量もそう気にならず、オッズP杯からの前進を示したい。着十分。