6月9日(日)に行われた3歳限定特別の第18回とかちダービーは、道中は好位の一角で進めたミチシオ(牡3、槻舘)が障害をスムーズに越えると下りての切れ味で抜け出し、終いは突き放す快勝。人気に応え、通算10勝目を挙げました。
馬場水分1.0%で勝ち時計は1分42秒4。ウルトラコタロウ(牡3、槻舘)が障害トップ抜けから2着に粘り槻舘どんぶり、ホクセイハリアー(牡3、金山)が3着に続いています。

ここまで世代最多の9勝を挙げていたミチシオですが、その素質と能力を示す完勝でした。
馬場を考えれば、前半約55秒は速くありませんでしたが、道中は前を見ながら刻みを入れて、障害もすんなり。下りてから綺麗に抜け出し、末まで緩まず突き放した勝ちっぷり、良かったですね。
昨季の重賞では案外と思える場面もあっただけに、二開催後7月7日のばんえい大賞典では、増量が一つのカギとなるでしょうが、ここ三戦の内容が良いですし、たしかな成長が感じられます。期待できるでしょう。

ウルトラコタロウは相変わらずの障害巧者ぶりでトップ抜け、末はやや緩みましたが、なんとか歩いて2着死守。
下りてからもう少し強くなれば、というのはあるのですが、こちらは積んで良いのは間違いないので、大賞典はもちろんのこと、荷が張る先々までの期待を懸けて良いと思います。

ホクセイハリアーも障害が巧みで、3番手で下ろすとジワジワ伸びてコタロウに迫りました。
私は馬券的に少し期待していましたが、先に下ろして粘り込む形をイメージしてのもの。それが追って伸びた内容は収穫十分で、流れが落ち着いて前半楽だったにせよ、今までで最も歩いたように思います。
意図的に昨季より道中でタメる競馬を試みて、最適な形を探っている最中にも見えますが、障害が安定しているのが何より強みで、まだまだ良くなるでしょう。

コトブキテンザン(4着)は、ほぼシンガリ待機から後半勝負。この時期に注文競馬しかできないというのは決して良いことではありませんが、障害をまとめた際の末脚には、やはり光るものがあります。
ショータイム(5着)は自身も障害はまとめましたが、上位馬がそれ以上にスムーズで、やや後れを取りました。切れるというよりジリジリと脚を使うタイプで、終いの速い競馬で差を詰められませんでしたが、内容的にはまずまず。
ホクセイポルシェ(6着)は今回も障害一腰と、前走に続いて良化気配。自ら厳しい流れを作って押し切ったナナカマド賞のように、本来は先行力と登坂力で勝負したい馬ですが、もう一段上がればといったところでしょうか。次開催の自己条件も使うのであれば内容注目です。
フレイムファースト(9着)は無理せず内容重視。それは想定の範囲内でしたが、終いもう少し歩いてほしかった印象もあります。本格化は先で、一つの結果を大きくとらえる段階ではないと思いますが、さらに増量となる重賞で、どう評価すべきでしょうか。


現在休養中のイレネー記念馬ライジンサンの動向がいまひとつわからないのですが(地方競馬あるある(^^;)、昨季はずっと同世代同士だったのが4月から年長馬も相手の編成へと変わり、そこで経験を積み力をつけながら、また世代限定戦で交わる構図が、3歳重賞の面白さでもあります。まずは一冠目のばんえい大賞典、ご期待ください。