5月13日(月)に行われた3歳限定特別のとかち皐月賞は、道中は中団で進めたフレイムファースト(牡3、金田)が第二障害を下りてから良い脚を使って抜け出し、通算5勝目を挙げました。特別戦は昨年11月の南北海道産駒特別に続いて2勝目。
馬場水分1.1%で勝ち時計は1分53秒8。しぶとく伸びたミチシオ(牡3、槻舘)が0秒6差の2着、さらに0秒1差の3着には一旦抜け出す場面もあったスマイルカナ(牝3、鈴木)が続いています。

予報ほど雨が降らず、流れも速くなりませんでしたが、フレイムファーストにとっては結果的に良かったかもしれません。
息を入れて行けましたし、天板でちょっと危なかったものの障害をまとめると、素晴らしい伸び脚で先頭に立ち、ただし末まで踏ん張りが利くかどうか、と見ていましたが、やや緩みながらも5着までが1秒5差に収まる接戦の中で後続の追い上げを凌ぎ切りました。
障害は巧者の部類で切れ味も十分と、素質を高く評価しながらも、末に脚が止まった前走の印象が強くて、私は正直ここでは買いにくかったのですが、まだ馬体も細くて完成度で劣る中でもヤングCSで2着になっただけのことはある、と改めて感心しました。
素人目には仕掛けのタイミングが難しいようにも映るのですが、やはり島津新はこの手の馬を御すのがうまいし、金田厩舎はガサがない馬でも結果を残しつつ成長させてくるので(マルホンリョウダイとかヤマカツエースとか)、これから実が入ればさらに期待できるでしょう。
近い目標であるばんえい大賞典へ向けては、今回から30キロもしくは40キロ増となる二開催後のとかちダービーが再度の試金石とはなりますが、長い目で見て楽しめる馬と思います。

ミチシオはハンデ頭だったことを考えれば内容的には十分ですし、末まで伸びて詰め寄った点も高評価。荷を積んでどうかというのはありますが、能力的にはやはり世代トップ級なのは間違いありません。
スマイルカナはある程度前について行って障害スムーズ、尻尾を振り振り飛び跳ねるようなキャンターは、必ずしも推進力に繋がっていないようにも見えますが、それも個性でしょうか。イレネー記念の時より自信を深めたレース運びで、ハンデも考えれば上々でしょう。

ショータイム(4着)は高速決着とはならなかったのがまず良く、追われてよく伸びました。今後に期待が広がる内容だったと思います。
グランドスターダム(5着)は積極策から意外と楽に先手を取れましたし、決め手で劣ったとはいえ、自分の競馬はできました。
ウルトラコタロウ(6着)は障害をスムーズに切りましたが、下りてから速い脚を使えずに伸び負け。べつにバテてはいませんが、荷が張ったほうが自身に展開が向くでしょう。
ホクセイハリアー(8着)は道中で存外行かずに、脚質の幅を広げようという意図が感じられました。やはり積極策のほうが持ち味を活かせるとは思いますが、試すのが悪い時期ではありません。
ホクセイポルシェ(9着)は障害こそなんとかまとめて、いくらか良くはなっているのでしょうが、復調と言うにはまだ足りない内容でした。


全体レベルは結構高い世代だと思うのですが、待機している昨季の世代王者ライジンサンが今のところ一枚抜けていて、トップコンテンダー争いは混戦、といった印象もあります。
二開催後6月9日のとかちダービーを経て、四開催後7月7日に一冠目のばんえい大賞典。どちらも一筋縄ではいかない争いが繰り広げられることでしょう。
この世代、と言うかばんえいはいつでも面白いですけど、目の前の激戦と先への期待が膨らむ三冠戦にご期待ください。