四開催後の7月7日に行われる3歳一冠目、ばんえい大賞典の前哨戦となるが、二開催後にも世代特別が組まれていることもあり、過去の傾向からは実績よりも近況重視。今年もイレネー記念馬ライジンサンは待機しており、ここはB2からB4の組み合わせだが、ハンデも微妙で難解。まだ荷物の軽い時期で、月曜は雨予報と、時計は速くなりそう。
(別定:オープン=660キロ。B2=620、B3=610、B4=600)

世代最初の重賞ナナカマド賞の勝ち馬ホクセイポルシェは、その後に不振に陥り、イレネー記念はシンガリ負け。休催期間を挟んでの今季も、下りてから歩けず、立て直せていない現状。自力先行から押し切ったナナカマド賞の中身は濃く、本来なら世代の主役ともなり得るが、復調待ちの段階。大賞典までに上向かせたい。

黒ユリ賞を制した牝馬スマイルカナは、イレネー記念でも追い込んで2着。力は引けを取らず、今季二戦の自己条件の内容も上々とデキも良い。格付上位でアローワンスの恩恵は薄れているが、自身600と軽荷の時期なら問題ない。少しタメたほうが良く、位置取りがカギとはなるが、軽めの馬場も歓迎で、上位争い可能。

ミチシオはここまで8勝を挙げており、賞金順位では世代全体の三番目。重賞には手が届いていないが素質上位で、今季三戦も障害安定して内容十分。末のひと押しが利くようになればなお良いが、この荷物ならまず崩れないし、軽馬場も大きなプラス。問題はハンデで、最重量で勝ち切れるほど力が抜けているかどうか。

昨季出走した重賞三戦すべて3着のウルトラコタロウは、ハイレベルの十勝産駒特別を制した星も光る。世代随一の障害巧者、前走も6着とはいえ好メンバー相手によく食い下がり、デキも上々。強みを活かすにはもう少し積んだほうが良く、この荷物だと終いジリっぽいぶん切れ負けの恐れはあるが、ここも大崩れはない。

ヤングCSで2着のあるフレイムファーストは、障害で腰が入るし、切れ味も十分。末まで脚が続かない点がネックで、前走も一旦は抜け出しかかりながらも緩んだが、まだ馬体も線が細く映りこれからの馬。軽馬場自体は悪くなく、発馬への不安も解消されたが、少しタメて後半勝負か。素質は秘めるだけに内容注目。

ナナカマド賞2着のアヤノダイマオーも小柄で本格化は先だが素質十分。ヤングCS以降の重賞では障害で手間取り、今季二戦もスムーズな競馬ができていないだけに、まずは障害修正に重点か。下りてからは良い脚を長く使えて、追い比べになれば互角以上だが、障害をまとめて後半につなげる形を作っていきたい。

ショータイムは今季B4を連勝。昨季は遅れ差しの形が目立ったが、相手関係が違うとはいえ、流れに乗った競馬ができており好調。少し速くなる今回は道中の位置取りがカギだが、以前より障害も良化し、前を意識しながら運べるか。そう切れなくても追って味があるし、昇級で10キロ余分に積む格好でも、勢い注目。

ホクセイハリアーは障害巧者で、7着だったイレネー記念でもトップ付けからトップ抜け。終いの粘りには課題が残るが、馬体も増えて年明けからの地力強化が目立ち、今季の内容も上々。ここは先手を取れそうな組み合わせだし、軽馬場歓迎でハンデもある。同じ位置で下りては厳しいが、思い切って行っても良い場面。

コトブキテンザンは鮮やかに後方一気を決めた四走前が示すように、世代屈指の切れ味の持ち主。今季二戦は障害で苦戦し、修正が必要だが、手替わりの今回は前半タメての後半勝負か。昨季の重賞では通用しなかったが、ここは600でハンデも有利。障害次第でアテにはならなくても、嵌った際の差し込みには要警戒。

障害がすこぶる安定しているグランドスターダムは、ここも一腰を望めるが、下りてからいかにもジリっぽく勝ち味に遅い。昨季末に世代特別勝ちはあるものの、イレネー記念の翌日で一枚落ちのメンバーだった。登坂力魅力でも、相手が揃った今回は下りての脚で見劣りそうで、あくまで他馬が障害で止まった際。