メジロゴーリキが有終の美を飾ったばんえい記念からひと月が過ぎ、いよいよ新年度開幕。オープニングカードは初日恒例の一線級そろい踏みで、まずはファンにご挨拶。今季の注目の一つである8歳×5歳の組み合わせだが、先を見据えての仕上がりと勝負意識の差がカギとなりそう。馬場は昨季の開幕週より軽めの見込みで、小雨の予報もあるが、初戦ゆえに流れと展開は読みにくい。馬券を買う側も慎重に滑り出したい。

メムロボブサップの昨季は重賞3勝など[10-3-0-2]と驚異的な安定感で、ばんえい記念では古豪に屈したとはいえ、やはり現役最強。今季は下の世代に胸を出す立場となるが、真の充実期を迎えて地力は一枚も二枚も上。もちろんここは単なる始動戦に過ぎないが、極端に緩めるタイプでもない。素直に連軸中心視が無難。

アオノブラックも昨季重賞3勝。ばんえい記念は雪に泣かされたが、下りてから一気に差し切った二走前チャンピオンCが出色で、能力互角。ただ、三年前に当レース勝ちがあるとはいえ、過去二年は障害で手間取ったように本質的には叩き良化型。力上位で当然争覇圏だが、特に速くなるとそう無理はしない可能性も少々。

一昨季に重賞初制覇を遂げたインビクタは、昨季は控える競馬も試して脚質の幅が広がり、重荷にも対応を示すなどさらに地力強化。以前より下りてから歩いているし、まだ成長の余地すらある。これまで開幕週に結果を出しているように鉄砲が利き、元来が障害巧者で680なら自在に動ける。減量歓迎で初戦から警戒必要。

コマサンエースの昨季は、準重賞のウィナーズCを制し、ばんえい記念3着など重賞でも幾度も善戦。登坂力としぶとさを活かし、積んでの良さを示す充実のシーズンとなった。もう一歩上への期待も懸かる今季だが、ややズブく、一線級相手の特別だと展開に注文がつく。680で初戦から道中スムーズに流れに乗れるかどうか。

6歳オーシャンウイナーは、昨季も重荷の重賞は回避するなど慎重な姿勢を崩さなかったものの、一昨季までよりも数を使い、強敵相手に十分な経験を積むと、最終戦では一枚落ちの相手とはいえオープン特別勝ち。上々の5歳シーズンを経て、今季が勝負の年、まずは荷物が軽めの時期に目処を立てておきたい。内容注視。

ハイレベル5歳の筆頭は、もちろんキングフェスタ。昨季後半には障害で乱れる場面もあったように、世代三冠馬とて一線級相手ではやすやすとはいかず、どこまで攻めた競馬をするかも興味深いシーズンとなるが、春先の荷物ならある程度自然に運ぶか。下りる位置次第だが、切れ味はここでも上位で、豪脚発揮の場面十分。

ヘッチャラは強気に出た昨季のはまなす賞が非常に中身の濃い内容で、これまでキングに分が悪いとはいえ、古馬になって本領発揮の可能性を秘める。ただし現状では下りてジリっぽく、持ち味が活きるのは厳しい流れでこそ。使いつつ良くなるタイプだし、今季前半は経験と内容を重視か。680の特別で初戦から即とは。

ツガルノヒロイモノは昨秋からの特別4連勝が鮮やかで、重賞だとひと押し利かない面があっても、やはり世代トップ級の存在。現実にアオノなど強豪を封じた星があるし、ライトな競馬を好むタイプで減量歓迎、前半そう速くならず終いに余力を残せる流れも合う。雨があればなお良く、地力より適性重視なら圏内評価。

ヤマカツエースは昨季も世代重賞で上位争いに加わるなど力十分。700キロ台後半だと動きが渋くなる傾向はあるが、減量で再出発、改めて地力強化を図るシーズンに。昨季の春先は思いのほか良化に手間取ったが、次開催の重賞の出走権利も持っていないだけに、今季も使いつつか。相手の揃ったここでいきなりとは。