いよいよ頂上決戦。三年前および二年前は、異常な軽馬場で3分を切り、昨年は全体時計こそ多少かかったものの、第二障害までを急ごしらえしただけの馬場で、終いの速い決着。いずれも勝った馬は下りてから一度も止まっていない。今季は良い馬場状態を維持しているが、日曜夕方は雪の予報。前半の流れが落ち着くのは間違いないが、そこから速い脚も求められるか、止めて出しての攻防となるかはわからない。障害が大きなポイントとなるのはもちろんだが、紛れるとすれば後者になった際。7Rで発走17時15分
(定量:1000キロ)

昨年の覇者メムロボブサップは、グランプリ三連覇を含む夏の陣3連勝など、今季[10-2-0-2]。連を外した二戦は、アクシデント的な障害のミスと酷量と、敗因がはっきりしているし、2着だった北見記念と帯広記念は、ハンデ頭でかえって力を示すもの。ピタリと折り合いがつき、かつ強い前進気勢を見せる精神面も強調でき、今季はまったく隙がない。仮に止まっても詰まってもすぐ反応できる。連覇で現役最強から史上最強へ。

アオノブラックは北見記念三連覇を成し遂げるなど、メムロと同じく今季重賞3勝。たしかにハンデをもらってはいたが、やはり力互角で、昨年の当レースも2着とはいえ0秒4差。帯広記念では障害で崩れたが、本来は二腰目の入りも良い馬だし、高重量戦の適性ではむしろ上回る。若い騎手で焦らないことも肝要だが、前半じっくり構えて障害と下りての脚で抜け出した前走チャンピオンCが最高のステップ。今年は一つ上を。

一昨年の覇者メジロゴーリキは、昨季以降は得意なはずの高重量戦で案外な面もあったが、正月の帯広記念を制し、改めて地力を示した。今は障害のカカリが良いし、この荷物なら馬場も問わず、登坂力と長く脚を使える強みを存分に活かせる。近走は特別でも道中から素軽さを見せているようにデキの良さが目立ち、臨戦過程はこれまでで最も良いほど。大臣賞6勝の名伯楽が同4勝の名手を迎えたのはこの日のため、復権へ万全。

インビクタは春のオッズパーク杯を制し、その後はハンデに悩まされた時期があったものの、二走前のチャンピオンCでは積極策から2着と、やはり力のあるところは示した。今季は重荷への対応を図り、障害に重きを置いた控える競馬も試しているが、昨季は障害を上がれず競走中止となった北見記念と帯広記念でもしっかりと曳き切ったように、成果は出ている。それでも1000キロだと重いが、さらに成長した姿を示す場。

重賞5勝の実績馬ミノルシャープは、三度目の大臣賞。今季未勝利と勢いを欠き、明け10歳を迎えていくらか力が落ちているのは否めなくても、動きには活気ありデキは決して悪くない。障害で止まった後でもすぐに返事をするように気持ちは衰えていないし、道中で息を入れて行ければ1000キロにも対応できるのは過去に証明済み。三季前ほどの姿を望むのは酷な現状だが、グランプリホースの誇りを示す。

コマサンエースはこれまでの重賞8戦すべてで掲示板に載っており、特に今季は積んでの良さを示している。安定した登坂力に加えて下りてのしぶとさもあり、この条件への適性は十分。近走は道中の反応も良く、障害を下りてからもモタつかずに脚を使えているように、デキに関しても申し分ない。今回も自分の力は出せそうだし、かなり地力をつけている。引き続き善戦可能で、他馬が障害で手間取るようなら上位進出も。

今季はなかなかデキが上がり切らない印象もあったコマサンブラックだが、12月に入って連勝と、例年冬場は動きが良くなる。昨季には帯広記念3着など積んで良い可能性を示唆しているし、登坂力あって1000キロにも十分対応できる。近走で末の我慢が利いていない点は気になるが、障害が安定しているのは魅力で、ここもある程度の位置では下ろせるか。終いの踏ん張り次第では昨年の5着以上も狙える。

コウテイは現役随一の障害巧者で、帯広記念でも障害トップ抜けからよく食い下がっての3着。それでも900と1000では違い、昨年は障害を上がれず競走中止となったが、一腰目で天板まで脚が届いていた。今季は夏負けしたとも伝わるが、一戦ごとに良化し、前走は積極策から楽々と障害を抜けての完勝。重賞未勝利と格下でも、高重量戦に狙いを定めて仕上がり絶好、昨年より力をつけ、ここもトップ抜けして不思議ない。最大の伏兵。

センリョウボスは明け10歳にして重賞初挑戦となった帯広記念で5着。ヒザの甘さがあるだけに、さらなる増量は不安が大きいが、下りてしまえば終いはよく歩く。勝ち負けよりも障害を大事に運ぶだろうが、ヒザを折っても立て直したい。終いの脚だけなら上位陣と比べても引けを取らず、障害を越えられれば何頭かは交わせる。

明け6歳のネオキングダムがA1から果敢な挑戦。力関係はともかく、世代屈指の重厚派で、条件への適性はあるはず。障害が上手く、ジリでも歩ける。今季は約三年ぶりに勝利を挙げるなど活気が戻り、内容安定してデキも高いレベルにある。自分のリズムで息を入れて行ければ、力を出し切れよう。意気高らかに1000キロに挑む。