3月10日(日)に行われた二世代限定の第45回ポプラ賞(BG3)は、道中好位で進めたクリスタルコルド(牡5、西)が第二障害を一腰で越えて抜け出すと、後続を引き離す完勝。重賞通算3勝目を挙げました。
西謙一騎手は当レース3勝目で重賞通算21勝目。西弘美調教師は当レース初勝利で重賞通算5勝目。
馬場水分1.8%で勝ち時計は1分55秒4。2着キングフェスタ(牡5、小北)、3着ヘッチャラ(牡5、鈴木)と続き、明け5歳馬の上位独占となりました。

だいぶ遅い更新となってしまいましたが、クリスタルコルド、強い競馬でしたねえ。
好位付けの正攻法から、他の先行勢は障害で手間取る馬もいる中で一腰、下りてからは末まで緩まず歩き、たしかにハンデはもらっていましたが、完璧な内容と言って良いでしょう。
昨季に重賞2勝を挙げてはいますが、ともにキングフェスタ不在時だったこと、他の三冠戦では存外振るわないレースもあったことなどから、意外と地味な印象もあるかもしれません。ここもツガルノヒロイモノが回避したことによる繰り上がり出走でした。
ただ、ハイレベル世代の中でも屈指の存在と、私はかなり高く評価しているつもりです。イレネー記念もダービーも本命にしたほどで、まあそれは結果的には見立て違いではありましたけど、将来性では世代一番、と思っていて、今回のレースにより、その意を強くしたところです。
前に行けて、ヤマを切れて、終いも歩ける本格派、メジロゴーリキに似てるなあ、なんて少し思ったりもするのですが、古馬になればさらに良さが活きるでしょう。
とはいえ、さすがに来季は少し苦労すると思いますが、荷物を積んで良い馬ですし、二年後か三年後かわかりませんが、この3月に行われるもっと大きな舞台でも勝ち負けできる存在になるのではないか。それほどの期待をしています。

キングフェスタは、やはり危惧されたとおりとも言うべきか、障害でヒザ折り。
天板まで上がっていたので返事は比較的早かったものの、下りたのは8番手。そこから豪脚を見せての2着ですから、ハンデ頭でも力を示した、と言っても良いのですが、今季はヒザの甘さを見せる場面がしばしばあるのは、少し気になります。
今回も、軽い相手に引っ張られたという感じはそうなく、道中で十分に息を入れて行けたとは見えたのですが、障害で乱れました。たしかに障害スムーズだったら突き抜けていたとは思いますが、昨季まではまったく現れなかった課題が、徐々に大きくなってきている点には不安も覚えます。
これまで世代重賞で8勝を挙げ、その末脚からも、類い稀な能力の持ち主であることは疑いようがないのですが、来季以降の古馬重賞に、積んで良いとは思えない本馬が障害への不安を抱えながら挑むとなると、どこまでやれるかは未知数です。
荷物の軽い時期なら十分に戦えるでしょうが、そこから先、メムロボブサップやアオノブラックを脅かすまでの期待を懸けるのであれば、大きな成長が必要となるでしょう。

ヘッチャラは出脚が鈍くて、第一障害を下るまでに後手を踏む格好。そこから道中で押し上げる手もなくはなかったとは思いますが、それなりに荷物も積んでいるぶん無理はできず、登坂力勝負の流れ待ちと切り替えたでしょうか。
障害は腰の入り良くすんなり、ジリでも末まで歩いての3着ですから、内容は悪くなく、たしかな地力強化を示しましたが、やや不完全燃焼に終わった感は否めません。
まあ、年間で20戦以上使う中では、こういうことも時にはあります。勝ち馬同様に、来季は古馬相手にさらに力を蓄えるシーズンとなります。

4歳最先着のジェイヒーロー(4着)は、前付けから障害トップ抜け。最後は歩き負けしましたが、自身の良さは出しました。
ただ、マルホンリョウユウ(7着)とタカラキングダム(10着)も含めてですが、現状では5歳トップ級との力差はあるようです。

ヤマカツエース(8着)は珍しく障害でヒザをつき、立て直しは早かったものの、残り20mからアラアラ。そう崩れない馬ですが、30キロ以上軽い相手について行ったことと、あとは荷物自体の影響もあったでしょうか。


来季は本格的に古馬に挑むこととなる5歳、古馬に胸を借りつつ世代三冠戦で再び覇を競う4歳。

次代の主役へ、さらなる成長と活躍を期待します。