8月28日(日)に行われた、3歳と4歳による二世代限定重賞、第34回はまなす賞(BG3)は、道中で押し上げて第二障害をトップ付けからトップ抜けを果たしたクリスタルコルド(牡3、西)が、下りてからも緩まず歩き続けて接戦を制し、前走のばんえい大賞典に続く重賞2勝目を挙げました。
西謙一騎手は当レース2勝目、西弘美調教師は当レース初勝利で、西謙一騎手は重賞通算15勝目、西弘美調教師は重賞通算4勝目。
馬場水分1.9%で勝ち時計は1分30秒3。一旦は先頭に立つ場面もあったヤマカツエースが2着、好位からしぶとく流れ込んだヘッチャラが3着に続いています。

当日の朝まで雨が降ったり止んだりで軽馬場、クリスタルコルドにとっては、自身も速い時計は持っているものの、我慢比べで良さが出た前走から軽くなって相対的にどうか、というのが焦点の一つでした。
レース後の謙ちゃんのインタビューからも、決して軽馬場は歓迎ではなかったというニュアンスが感じられましたが、下って一旦はヤマカツエースに前に出られたものの、長く脚を使って逆転という、前走に似た形での重賞連勝。
テンはそう出て行かず、そのぶん道中で刻まずに押し上げる形、結構キツイ競馬だったと思うのですが、それでもしっかり歩き切るという強い内容を今回も見せてくれました。ナナカマド賞4着から始まり、ずっと世代の三役クラス、イレネー記念で本命にするなど私も非常に期待していた馬ですが、予想を上回る充実ぶりです。
ここ二戦の勝ち方を見ると、かなり奥がありそうで、11月の菊花賞、年末のダービーへの期待はもちろんのこと、来季、さらには古馬になってからの大きな可能性さえ感じるほどです。

当面の目標となる菊花賞は、オープンに昇級してしまうとハンデが厳しくなる別定条件ですので、賞金状況を見ながらの仕上げとなるでしょうが、陣営がどのような使い方をしてくるかにも注目したいところです。


ヤマカツエースは、下っての切れ味で前に出るという形は作り、末も極端に止まったわけではありませんが、勝ち馬との特性の差。大賞典から重賞関係が有利になり、自身に利が大きいと思えた軽馬場、決めたかった気持ちは当然あるでしょうが、そのぶん差が詰まったとも言えます。まだ線の細さが感じられる現状だけに、もちろん長い目で見たい素質馬です。

ヘッチャラは六度目の重賞も馬券圏内確保。前に他馬がいるのも六度目。ただ、今回に関しては、上位二頭がしっかり動いた中での10キロ差はやはり楽ではなかったでしょうか。何も悲観することはなく、むしろ自信として良いほどだと思いますし、立派な馬です。

 

ミソギホマレ(4着)は障害で止まったのが痛恨。速い流れの中でも息は入っていたように見えましたが、軽馬場で好調の3歳馬相手、わずかに積んだハンデと、何とも微妙な要素が絡み合ってか、戦前の危惧が現実となってしまいました。それでも腰は入れ直せており、極端に尾を引くものではないと思いますが、まずは次開催の内容に注目です。

ツガルノヒロイモノ(6着)は内から一旦迫りましたが、結果的には上位三頭の地力が上でした、という内容。ただし、2歳時から大きく力をつけているのは間違いなく、菊花賞へ向けて再鍛錬です。

 

4歳のオーシャンウイナーとサクラヒメが不在で、寂しさがなかったと言えば嘘になりますが、それを補って余りあるほどに、3歳勢、特に上位三頭が見応えのある内容を示してくれましたし、来たる頂上対決の時へ向けて期待が高まる、非常に良いレースだったと思います。