今日(5/24)の北海道新聞の社会面に、興味深い記事があった。

ばんえい 砂利確保に苦慮

との見出し。

要約すると、
・競馬場で使われる砂利は、通常より小さい直径5~7ミリの“ビリ砂利”だが「硬くて砕けにくい砂利が見つからない」
・毎年入れ替えているが、阿部騎手「7、8年前から砂ぼこりがひどい」
・ビリ砂利は流通量が少ない。以前は根室やオホーツク管内の河川で採取したが、法規制のため、最近は十勝川に近い畑から採取してきた。
・今季から十勝管内の札内川沿いのものに替えたが、採取できるのは5年が限界で、その後は見通しが立っていない。
・使用済みの砂利を洗い、細かい粒を除いてからの再利用を検討中。昨年度の砂利を保管し、それに備えているが、費用面などの課題も多い。
・市は「砂利は勝敗を左右する大きな問題。厩舎関係者と議論し慎重に考えたい」としている。


ふーむ。
砂の入れ替えのニュースは毎年聞くが、たしかに言われてみれば、どこかから新しいのを調達しているということだものねぇ。
恥ずかしながら、今までそこに考えが及ぶことはなかったが、量が量だけに(記事によるとダンプカー300台分)容易でないことは想像がつく。
以前から、毎年入れ替えずに2年くらい使ってもいいんじゃない? とは思っていたのだが、そうすると、細かくなり過ぎて砂ぼこりがさらにひどくなるとか、馬場が軽くなってしまうとか、いろいろ問題が生じてくるのだろうね。
今後どうするべきなのか、については、この記事を読んだだけの浅い知識では何とも言えないが、再利用を含めて、最良の方法を見つけていただきたいものだ。



以下、蛇足ですが。

一般紙の社会面だとこう言うよな、と妙に感心してしまったのが、「砂利」という表現。
そう、ばんえいの走路は、砂ではなく砂利なのです。
競馬ブックのトラックマンや、私たちファンも、「砂」と言っていますが、それはあくまで慣例的なもの。中央競馬で、dirtではないsandコースをダートと呼ぶのと同じです。


↑の画像は以前ネットで拾ったものですが、この画像だけ見て、砂と言う人は少ないでしょう。

さらに蛇足ですが、たまにニコ生で、馬場水分が増すと時計が速くなる理由について、「雨降ったらダートが速くなるのと同じ」「乾いた砂浜より濡れた砂浜のほうが走りやすい」とのコメントも見られますが、これは正しくありません。
砂浜の喩えは昔からよく使われており、中央のダート(sand)の特性を表現するのには適していると思いますが、ばんえいは、そもそも砂ではなく砂利なので、少し違います。
中央の場合は、雨が強く降ると、砂の深さ以上に脚が入り、硬い路盤を直に叩くことで時計が速くなることもありますが、ばんえいの走路は40cm近い厚さで砂利が敷かれていますので、そういったことももちろんありません。

 

ソリの滑りやすさの問題で、雨で濡れると、そのぶん摩擦抵抗が少なくなるので速くなる、という単純な受け止め方のほうが合っています。雨より雪のほうが段違いに速くなりますから。

ただ、馬場水分と時計の関係については、語り出すと収拾がつかなくなるので、早めにやめておきます(^^;


“砂”と言うと、中央のダートのような砂馬場を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、そうではないので、その点だけは誤解なさらぬようにお願い致します<(_ _)>