次作に取り掛かりました。

第77作は、オリジナル書体『古今』(こきん)の彫り駒です。


古今は、2作目。


木地は、持ち込みの天然木の島黄楊虎斑。




若干色が薄いですが、仕上げ磨きでどう変わるでしょうか?



恒例のはじめの一歩!





三玉木地の王と玉の一枚は書体名で、下には花押を書くスペースを開けて彫ります。




花押(かおう)とは、サインの様なものですが、今は、ほとんど見る事が有りません。現在も使われてはいる様ですが、一般的には印鑑に変わったのだと思います。


将棋駒に関しては、江戸時代の作品に多く見られます。現代で花押を使う駒師は、良尊師他数人と思いますが、使用頻度は少ないと思います。



展示会に行った時に頂いた根付けです。

ありがとうございます。



江戸時代の将棋駒には、書体名が無く、例えば、安清(花押)や俊光(花押)の様に、作者(又は、一派の銘)の下に花押を書いていました。


本来の使用目的からすれば、花押を書くなら作者名の下が正しく、書体名の下に花押を書くのは好ましく有りません。

なぜなら、例えば、現代では書体名となった安清の下に花押を書く場合、安清の花押を書けば盗用となりますし、自分の花押を書くのも繋がりがない訳ですから変です。


しかし、私のオリジナル書体名の下に、勝仙の花押を書いて居ます。

今まで、この様な慣習は無く、初の事かと思います。


書体は勝仙が作りそれを駒として勝仙が作りましたと言う意味で書くので、初見では、書体名に花押??とはなると思いますが、この使い方なら許される範囲かと思って居ます。



勝仙の花押を最初に書いたのは、第38作の海燕から。(咸宜苑様所蔵)