(元記事)
https://gizmodo.com/cops-used-previously-undisclosed-facial-recognition-sys-1845560806  by Shoshana Wodinsky  Nov 2
 

(内容)

 

今年6月、ワシントンD.C.での平和的デモで、ある参加者が警察官の顔を殴打して逃げたと報じられた。Washington Postが閲覧した裁判資料によれば、警察は以前は公表してなかった顔認証システムを使って、Twitterに投稿された携帯のデモ映像を調べ、容疑者を発見したらしい。

この容疑者(Michael Joseph Peterson Jr)は、Twitter映像を、メリーランド州郊外にあるNPO法人Metropolitan Washington Council of Governmentのパイロット・プログラムである「National Capital Region Facial Recognition Investigative Leads System (NCRFRILS) 」に通すことで識別されたと、Washington Postは報じている。NCRFRILSは2017年から稼働し、数十の連邦機関が利用してきたが、このプログラムに関連する記事をネット検索してもあまり多くのことは表示されない。NPO法人広報担当者は、Washington postに対し、まだテスト段階のため、NCRFRILSは一般には公表していないと言っている。

犯罪現場で見つかった、PetersonのIDカードの入ったバックパック
に加え、NCRFRILSで顔がマッチしたことで、容疑者としての見方を固めた。連邦機関によるデモ参加者監視がわかったのは今回が初めてではない。またデモでならず者を発見するのに顔認証が使われたのも初めではない。8月、デモ中に警察官に石を投げた疑いで、マイアミ警察が顔認証を使ったある女性を特定したと、NBCが報じた。同月、フィラデルフィア警察が、パトカーを破壊した疑いでこのソフトを使ってデモ参加者を追跡したとWashington Postが報じている。また、ニューヨークでも、拡声器で警察官に怒鳴りつけたデモ参加者を見つけるのに同様のソフトを使ったことを認めている。

NCRFRILSプログラムを主導するフェアファックス郡警察の警視長のchristian Quinnは、Washington Post紙に対し、このソフトは捜査の手がかりを得るためだったので、当該被告について使用したことは公開しなかったと話している。さらに彼は、このソフトは、平和的なデモ参加者の監視には使われていないとも言っている。Quinnによれば、NCRFRILSデータベースを構成する140万の画像、提携機関から提供されたマグショットのようだ。だからと言って安心できない。D.C.のLaFayette Squareで事件があった当月は、1万人以上のデモ参加者が逮捕されたと言われており、彼らの多くが、外出禁止違反などの非暴力的な軽犯罪の嫌疑で逮捕され、その後、起訴はされていない。

2019年以降、NCRFRILSは1.2万回以上利用されており、このシステムによって2600件の手がかりをつかんでいるとQuinnが語ったとWashington Post紙は報じている。そのうち何人が逮捕されたのかについて、彼は答えることができなかったようだ。

 

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