(元記事)
https://earther.gizmodo.com/scientists-say-theyve-cooked-up-an-endlessly-recyclable-1834591910  by Yessenia Funes May 6 2019
 

(内容)
 

 

プラスチックのリサイクル率は望まれるほど高くない。Berkeley Labのチームが、そのプロセスを容易にすることが期待できるメソッドを開発した。最近発表された論文で、プラスチックを分子レベルに分解し、品質低下せずにまた新たなプラスチックを作ることのできる新タイプのプラスチックに言及している。その目的は、このリサイクル・プロセスを改善し、陸地や海に行き着くプラスチックの量を減らすことにある。

「殆どのプラスチックはリサイクルを前提に作られていません」 Berkeley Lab Molecular Foundryのポスドクで論文主要著者のPeter Christensenは言っている。「そこで、私たちは、リサイクルを分子的観点から考慮して、プラスチックをリサイクルする新たな方法を発見したのです」

すべてのプラスチックは、大分子のポリマー(小分子化合物であるモノマーの集合体)からできている。プレスリリースで触れられたように、プラスチックを作る伝統的メソッドでは、モノマーに結合する化学物質を加える工程が含まれており、そのため、リサイクル・プロセスでそれを取り除くことは難しい。そのため、異なる組成のプラスチックがすべて混合されてしまうため、最終的にリサイクルで産生されるプラスチックがどのようなものになるかを把握することは困難になるのである。しかも、生まれ変わったプラスチックは長持ちしない。



このチームが作った新たなプラスチック(PDK:polydiketoenamineと呼ばれている)では、リサイクルに必要なのはモノマーから化学添加物を除去する酸だけのため、リサイクルが魅力的なものになりうる。そしてオリジナルと同品質のリサイクル商品を作ることができるのである。研究者の望みは、シューズやスマホケースなど、その製造方法ゆえにリサイクルできない多様なプラスチックが、この新プラスチック材質に置き換わることである。

今のところ、このプラスチックはラボにしか存在しない。PDK製のスマホケースを買おうと思ってもまだ存在しない。現在、このチームは、植物ベースの材料を組み込み、より環境に優しい材質を作ろうとしている。

「今は、循環型プラスチックを可能にする材質やリサイクル工場について、デザインを考え始めたばかりのワクワクする時期です」
と、Berkeley Lab Molecular foundry の研究者 Brett Helmsは言っている。

こうした取り組みはエキサイティングであるだけでなく、必要不可欠である。プラスチックは、海底から山頂まであらゆる場所に蔓延している。これが私たちの健康にどのような意味を持つのか分かっていない。しかし、少なくとも鳥類や海洋生物が誤食して死に至っていることは分かっている。野生動物がこうした助けを待っているのである。

 

<関連動画>

 

(nature chemistry)

(Berkeley Lab Molecular Foundry)

(Berkeley Lab)