昨日は、アルヴェーンとステンハンメルの音楽を取り上げたコンサートを聴きに行った。
20220903_ステンハンメル
二人とも近代の北欧の作曲家だ。
19世紀後半から、20世紀前半にかけてはとても聴きがいのある興味深い音楽が多いように思っている。この時代は、伝統的な価値観から離脱して新しい考え方を模索する急進的な流れと、伝統を引き継ぎながら緩やかに進化しようとした保守的な流れとがあって、時代の表舞台に立ったのは急進的な方だった。伝統的な響きを残している作曲家は「退嬰的」との批判を受けることもあった。20世紀後半の作曲家としての私は、急進的な流れに乗りたいとは思わず、聞く人が心地よく楽しめる音楽という枠の中での新しさを追求したかった。現代音楽の世界では「退嬰的」と見られていたかな? 北欧のこの二人の作曲家も、どちかといえば保守的な立場に立っていたと言える。少しずつ新しさを取り入れようとした流れだ。いわば私の立場と同じだ。この時代のこのような作曲家は、しばらく表舞台には登場しなかったが、最近はいろいろな形で光が当てられるようになった作曲家も多いと思う。YouTUBEのおかげで、それまで接することのなかった多くの作品に出会えるようになって、嬉しく感じている。
演奏会終了後、指揮者やコンサートマスターに挨拶したかったが、完成予防の為面会は不可でした。