私は、映画音楽が好きだが、音楽を知っていても映画はあまり良く知らない・・・という場合が多かった。ここで紹介する「ベン・ハー」も、音楽は編曲もしたりして親しんでいたが、映画は一度見たきりで、ストーリーもおぼろげにしか判っていなかった。最近ブルーレイのディスクが発売されたので、」購入して久しぶりにハイビジョンの大画面で鑑賞した。

バンダナ姿の作曲家
ストーリーは、ユダヤの貴族ユダ・ベン・ハーの人生と、イエス・キリストの布教時代とを重ねている。最後は、ベン・ハーの母と妹の疫病がイエスの奇跡的力によって癒される。特典画像の中に1925年制作のサイレント映画による「ベン・ハー」も入っていたのでそちらも観た。ほとんどストーリー展開は同じだった。旧いバージョンの映画では、イエスが手をかざすと、みるみるうちに母と妹の顔がきれいになり、疫病が治ってしまった。当時としては精一杯の特撮技術だったのだろう。

しかしまじめな話・・・イエスの伝説に説かれている様々な奇跡は、どこまでが本当の話なのであろう?例えば、盲人がイエスに救われて目が見えるようになる。本人も「イエスに会う前は私が目が見えなかった」と証言したことだろう。それらの話は、精神的な意味で、哲学的な意味で、「イエスに会う前は自分は物事が正しく見えていなかった」と言うのなら、納得できる。仏教でも「この経は、総ての人の盲目を開く功徳が有る」と説かれていたりする。物理的な意味の盲人ではなく、象徴的な意味での「見えない人」なのだ、それなら判る。
しかし、どうやらキリスト教徒になるためには、イエスの奇跡を「象徴」と解するのではなく、「本当に有ったこと」と信じなければならないらしい。

イエスの「病気治癒の奇跡」を観ていて思い出したものが有る。それは「仏陀の病気治癒のエピソード」だ。何かの雑誌に載っていたものを(印象に残ったので)スキャナで取り込んでとってあったものだ。
www.cnet-sb.ne.jp/turuhara/Img/budda_m2.jpg
ここにおいておくので、時間のある人は読んでみてほしい。
このエピソードでも、仏陀が、他の人が治せなかった(本人も治せなかった)男の病気を治す。しかし、その治し方は道理にかなっている。偏見を捨てて、最善を尽くせば誰にも出来ることで、考えてみればこれは奇跡でも何でも無い。私の推測でしかないが、イエスの奇跡の数々も、元をたどればこの仏陀のエピソードのように、道理にかなった人間的な振る舞いの現れだったのではないだろうか。しかし、キリスト教の世界ではそのようには伝えられていないようだ。したがって私はキリスト教徒にはなれそうも無い。(^o^)

(2月10日追加)
ところで、私は今、この人の言う「イエス」観に興味が有ります。
http://www.youtube.com/watch?v=1IAhDGYlpqY