プロコフィエフのオペラ作品に「炎の天使」という珍しい作品が有ることをネットで知り、DVDを購入した。プロコフィエフは子供のための音楽物語「ピーターと狼」でよく知られたロシアの作曲家だが、オペラ作品もトルストイの文学を題材にした「戦争と平和」という大作を書いている。「炎の天使」を、昨日時間が空いたのでやっと鑑賞することができた。

バンダナ姿の作曲家
しかし、この作品はストーリーが特異で、決して一般向けのオペラ作品とは言えない。
主人公は、姿を見せなくなった「炎の天使」(男性)を追い求める。彼女には特異な能力が有って、普通の人にみえない霊や悪霊の姿が見えてしまう。炎の天使に会う為に自殺も試みるが果たせず、救いを求めて修道院に入る。
しかし悪霊たちも修道院に来てしまい、修道女たちを悩ませることになる。・・・最後に主人公は魔女として火刑に処されてしまう。何とも恐ろしいストーリーだ。演奏はロシアのアーティストたちで、指揮は大御所のワレイー・ゲルギエフ。音楽は時折「ピーターと狼」を思い出すようなサウンドも有り、プロコフィエフらしいなと思って見ていた。
悪霊たちの姿は主人公にしか見えないので、普通の人にはみえなくても良いのだが,このDVDでは白いドウランを全身に塗ったダンサーを使って(まるで動く石像のようだ)、鑑賞者にも主人公の見ている悪霊が見えるように視覚的演出をしている。ノートルダム寺院とかの建造物の高いところにいる石像のように、ステージでも高いところに上って見下ろしているようなシーンもある。体育大学の学生達を使ったとのことだ。第3幕で2枚目のディスクへ・・・ここの修道院のシーンでは、修道女たちの目には見えない悪霊たちが、修道女たちに「悪さ」をする。修道女たちの衣服をはぎ取りにかかるシーンは、象徴的な演出も可能だと鶴ちゃんは思うのだが、このDVDではリアルに演出している。「・・・!・・・」こんな衝撃的なシーンが有るとはつゆ知らず、研究室の大型テレビで鑑賞していたのだが、体格の良い女性たちの無着衣の胸部や無着衣の臀部をあっけにとられて見ているときに、もしも学生が訪ねてきたら、(まずい!)大変だった。幸い誰も訪ねて来ないうちにオペラは終わり、エンドタイトルのスクロールが始まったときには正直ほっとした。
プロコフィエフがこの曲を作曲したときは、まさかこんなにリアルな演出で映像化されるとは想像もしなかったに違いない。いやはや・・・・
もっと、誰にでも見せられるDVDは無いものか???

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Amazonでも今は入手できないようだ