医学書は高い.


漠然とそんなイメージをお持ちの方は多いだろう.

苦学生が専門書を買うために,口に糊する姿をことさらに強調し,医学と命への献身で涙を誘うテレビドラマがあるくらいだ.何だろう,フランダースの犬でネロが絵具と画用紙を買えないくらい,浸透したイメージだと思っている.たぶん.



最近,欲しかった本を少しずつ揃えているのだけれど,自分の中では驚くほど高かったので少し報告してみる.どの業界でも専門書ってこんなものなのだろうか.



「脳神経外科学Ⅰ・Ⅱ」 ¥31,500

脳外科のスタンダードと言われるみんな持ってる本.

上下巻で2000ページある割にはユニクロのシャツ30着分と思えば安い.


「イラストレイテッド脳腫瘍外科学」 ¥16,800

250頁でこの値段.原価の1000%くらいかな.


「脳腫瘍臨床病理カラーアトラス」 ¥19,950

この類の本はこれしかないから,正直なところ殿様商売.

まぁ,確かによくできてて見やすい.


「WHO Classification tumors of the CNS」 ¥33,306(何$だろう)

世界保健機関が定める腫瘍分類の本で,すべての基準.

ゆえに競合相手などなし.売り物にすんなよ.


「脳神経外科臨床マニュアル 改定第4版」 ¥54,600

あえて第4版と書いた.第3版までは1冊で25,000円だった.

それが3分冊になって,1冊18,000円になった.

世の中の仕組みを理解しつつ,納得できない値段設定.


「脳神経外科手術アトラス 上下巻」 ¥84,000

極め付け.非常に優れたバイブル的手術書.

上巻に4万円て書いてたからセットで4万円だと思ってた.

買ってみたら8万円とられた驚きの逸品.




実際に口に糊するわけではなく,自由にラーメン食べるくらいはできるけれど,この本の値段設定はどうだろうか.他の専門の方から見て.


まぁ,ネロのような行き倒れにはならないけれども.


あとスタバのタンザニアが今年も発売された.

早速アイスコーヒーにして飲みまくってます.みなさんもよろしく.



命とは何だろう。呼吸と心拍が保たれていれば命だろうか。



人生数十年、培ってきた思考とか思索とか、自分を自分たらしめる個性が削られていって、「あーっ」とか「うーっ」とか、うめき声を上げるだけになるのが恐ろしいのだ。

葛藤を経ながら生きていける自分は幸せだ。どんなストレスと抱えたって幸せだ。辛かろうと、頑張るのは嫌いじゃないからだ。


ただ、そうやって必死に生きている人々を、無情に、あまりに非情に病気が襲っていく。ここ数週間は少し異常で、見るだけで泣きたくなる。泣いたって治るわけじゃないのだけど。



あの子は、20歳まで生きられるだろうか。

人格を保っていられるのは、その半分かもしれない。歳はずっと違うけど、同窓生なのだ。もっと社会で輝けるはずの。


小学生のあの子は・・・申すまい。

笑顔を見るたびに、嘘をついている自分を許して欲しい。どうか、どうか恨まないで欲しいのだ。


30歳のお父さん

3人の子供を抱えて、育てきることはできないかもしれない。でもどうか最期まで、かっこいいお父さんでいてほしい。



仕事が終わった後、本当に泣きたくなる。

少しのめり込み過ぎなのかもしれないけれど、だったら何だというのだ。

最期の最期まで、幸せを願いたい。

それをブレイクスルーする医療を求めたいのだけれど。


毎日、毎日、無力なものは無力である。



家に帰りたいと思っていた.

仕事が終わった後こそ自分の時間だと,文献やら読み漁って家に帰らない日が増えた.

それが当たり前になって,いつの間にかほとんど家に帰らなくなった.

日常生活が破たんしていることにも気づいているのだけれど,時間が惜しいのだから仕方がない.

ひょっとしたら時間的余裕はあるのかもしれないけれど,知らないことが多すぎるという焦りがつのる.こんな働き方なんか,本当はしなくてもいいのかも知れない.



頭はいいほうだと思っていた.天才ではないけれど,もう少しできると思っていた.

周りの方々は「そんなことねぇよ」と言ってくれるのだけど,違う.

思い描いている自分,本当は一目置かれる存在になっているはずだった.

それがどうだ,今ではただの人だ.

その壁を破るために,求められてもいない勉強を繰り返しているのは,自分はできるはずだっていうプライドのせいなんだと思う.


凡人なのだと認めたくないだけ,高校生の頃に気付いていたのに.



高い世界にぶら下がっていたい.

同じ地平に立てなくても,せめて覗き見れるくらいの資格が欲しい.

離婚話とAKBでごった返す世界で満足などできない.

凡人が自分のアイデンティティーを持って働くなどおこがましいのだろうけれど,そうでなければ自分で自分を許せないのだ.しょうがないじゃないか.


だから勉強するんだけれども,それにしては頭が悪すぎると悲鳴を上げている.


吐露,これが今日の日記.