退院してから出社もして日常生活を取り戻そうとしていた私は、ついに自転車に乗る日を迎えました。

それまでは徒歩、電車、タクシーを駆使して通勤の道のりをこなしていました。

自転車は危ない。
そう医師が言っていたため、かなり慎重にその時を待ちました。
そして、その日は来ました。

その日も徒歩で行けるように早めに出る予定でしたが、少し遅くなってしまい
タクシーでないと間に合わない時間になってきました。
しかも調子が悪くて遅くなったのではなく、準備がただ遅くなっただけです。

「うーん、これはタクシーで行くしかないな。でもめんどくさいな…」

よし、自転車でいってみっか。

そんな流れでした。
奥さんに自転車で、行ってくるわと伝えたところ
「大丈夫なの?きをつけてね。転ばないでね」

さぁ、その時がやってきました。
結構ドキドキしました。ふらついて倒れるんじゃないか、乗った瞬間倒れるかも……

そして、いざまたがり走り出すと…
無事乗れた!乗れました!
歩くことには慣れていたので、自転車に乗ったときの気持ちはフワフワ変な感じでしたが、何とか念願の自転車に乗れて一歩回復へ向かいました。

細かく言うと、フワフワ感に加え後方確認が絶望的に危険で終わっているのですが(ぐらつく)、乗れた喜びは大きいものでした。

ちなみに前庭神経炎の方が最も知りたいであろう自転車に乗り始めたのは退院から1週間、発症から2週間でした。