さて、N次郎(私のニセモノ、なりすまし)からの電話がなかば一方的に切られてしまった所からスタートです。



父親は電話の後半、とっさに孫の病名をN次郎へ質問しました。

実はこの日は偶然にも私の娘(父親からみて孫)の誕生日でした。

滅多に父親とLINEはしませんが、私は昼過ぎに

「娘は誕生日で元気だけどヒトメタニューモウイルスになってるよ」

と連絡を入れていたのです。


父親はこのことを思い出し、N次郎が病名を答えられるか試したのでした。

結果は物凄い話題の切り替えで答えられませんでした。

決定的なニセモノの証拠にはなりませんでしたが、違和感ポイントを得ることができた瞬間でした。



▲▲公園での引き渡し約束まで少しだけ時間がありました。

電話の感じはN次郎本人ですが、不信感を持っていた父親は

このタイミングで私の奥さん(義理ムスメ)に電話をしました。


『もしもし、ワシです、N次郎の父です〜。○子さん元気にしとるか?孫ちゃんもなんや病気?手足口病らしいけど誕生日おめでとさん』


「あっ、お義父さん、電話くれはるなんてメッチャ珍しいですね。はい、私も娘も元気にしてます。お義父さん、手足口病やのうて、ヒトメタニューモウイルスゆうんですわ。」


『ほうかほうか、そりゃよかった。』


「(話聞いてる……??)」


『ところでな、N次郎なんやけど今日は仕事か?』


「はい、そうですわ。娘の誕生日やから少しだけはよ帰ってくるみたいですけど。」


『何時くらいに帰ってくるんや?』


「今日は17時過ぎに帰ってくる言うてましたわ。ホンマはもっと早く帰ってきてほしいんですけどね。」


『ほうか、じゃあ今日は孫ちゃんのお祝いやな。N次郎にも宜しくゆうたってや。』


ツー、ツー(電話切った音)



(あとで奥さんに聞いたところ私の父からの直接の電話は数年に1回無い位、物凄く珍しい出来事でしたが、娘の誕生日だったため不自然に思わなかったようです。

一方の父親も私が大変な事になってるとは話しませんでした。この時点で言ってくれていれば奥さんから私に連絡が入り、詐欺に完全に気づくことができたのですが…恐らく言いにくかったのでしょう。


急に身内から連絡があった際は何かトラブルに巻き込まれていないか遠回しにでも聞いてあげるといいかもしれません。本人は迷惑をかけたくない等、中々口を割らないかもしれませんが…)



『なんやアイツ(N次郎)19時過ぎに取引先に金渡す言うとったのに、17時過ぎに帰ってくるちゅうとんか…なんやいよいよ怪しすぎるで…』


また1つ違和感を手に入れた父親はお金の引き渡しに対して益々ガードが強めていったのでした。


次はいよいよ犯人との接触です。