※先月実際に発生したオレオレ詐欺のお話第7話です


『なにが大丈夫なんや?』


「実はな、上司のK藤さんの息子さんが〇〇市(実家の隣)に住んどってな、彼がお金を受け取りにいってくれるんや!

どや、これなら問題あらへんやろ?!」


『アホな、わしお前が取りに来るんやったら渡すゆうたやろ?

なんぼ上司の息子さんかて渡されへんで?』


「おとん、仕方ないねん。自分が受け取りに行きたかったけどな、言うたとおり取引先に行って説明とお詫びせなあかんねん。しかも上司の息子さんがわざわざオレのために動いてくれるんや。なぁ、おとん、頼むわ。」


『うーん。そやな。いやー。』


「おとん、頼むわ!」


『いや、やっぱりお前が来んのなら渡されへんわ。』


「そこを何とか頼むわ〜おとん!

そや、お金の準備はしっかり完了しとるんよね?」


『そや、お前が来るゆうから準備しとるで。』


「おとん、ありがとう!ほなもうこっちも時間も無いよって、一旦息子さんに行ってもらうさかい、頼むわ!」


『おいおい…』



「えーと、あれやな。家の近くに郵便局があるやんか。」


『えっ?郵便局ゆうて〇郵便局のことやな?』


「そやそや、えーと、その横ゆうか、裏に公園あるやんか?なに公園やったっけ?」


『あんな公園の名前わからんがな。でもあそこやろ?』


「そや、あそこや!あそこの▲▲公園に19時になったら行ってくれるか?K藤さんの息子さんにもそうお願いしとくから。」


『いや、だからお前な〜お前が来んと渡さん言うてるやろ。』


「しゃあないねん、こっちも大変なんや!わかってやおとん!」


『…おいN次郎、孫ちゃん今病気やって言うてたな?なんて病気やったっけ?』


「?!」


『お前が昼前にLINEで孫ちゃん病気やって教えてくれたやないか?何て病気やったか?』


「…おとん、悪いけど今それどこやないで。」


『いやいや、そらわかるけど、ワシ孫ちゃんも気になってしょーがないんや。』


「おとん!まじで今そんな話しとる場合とちゃうんや!

悪いけど一旦切るで!19時に▲▲公園で頼むで!」


…ツー、ツー…


急におとんを連呼しだした息子のN次郎。

父も後から振り返ればやけにおとんと呼んでたなと振り返っていました。


これは鉄道会社の聞き取りで父の呼び方を仕入れたからにほかなりません。


また、

▲▲公園は小さい公園で地元の人でも名前を把握している人はそういない公園です。

犯人はきっと土地勘がないために地図を片手に話していて、つい名称を言いたくなってしまうんだと思います。


色々な角度からリアルタイムで情報を取得し巧みに話の中で合わせてくる様子は中々その場では気づけなそうです。


続く(あと数話で完結します)